山形に専門職大学 静岡に続き農林系2校目

【山形中央】東北地方で初となる農林業系の専門職大学、東北農林専門職大学が2024年4月、山形県新庄市に開学する。大規模な稲作経営体や6次産業化を実践する法人など多様な生産現場で実習できるのが強みで、農林業をけん引する人材を育成する。開設準備を進めてきた山形県が6日、永岡桂子文部科学相から4日付で設置認可が下りたと発表。大学は6日から志願者の募集を始めた。

専門職大学は特定の職業に就くための知識や技術とともに、一般の大学と同様の幅広い教養や専攻する職業に関連する他分野を学ぶことのできる大学。農林業系の専門職大学は、20年4月に開学した静岡県立農林環境専門職大学に続く2校目となる。

東北農林専門職大学は、農林業経営学部の農業経営学科(定員32人)と森林業経営学科(同8人)の2学科を設置する。農林業に関する専門的知識や技術に加え、国際情勢などを学べ、時代の変化に対応した経営戦略を描ける人材を育てる。

一般選抜の他、東北優先枠の総合型選抜、県内高校推薦の指定校推薦型選抜、社会人や私費外国人留学生などの特別選抜がある。

地元農家などでの実地体験実習と臨地実務実習を行う。臨地実務実習は、東北6県の農業・森林業の経営体(県内326、県外33)に出向き、生産技術や経営管理などを2~4年次の3年間に、年30日間学ぶ。

既存の県立農林大学校は付属校となる。

吉村美栄子知事は「優れた技術と経営力、国際競争力を身に付け、農業・森林業のリーダーとなる人材を育成したい。農業・森林業の持続的発展と地方創生を目指し、開学に向けた準備を着実に進めたい」と話した。

県は20年4月に県庁の農政企画課内に農林業専門職大学準備担当を置き、同年12月に専門職大学基本構想を取りまとめた。

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