杉田協士監督に惜しみない拍手 ベネチア映画祭で「彼方のうた」

ベネチア国際映画祭での上映後、写真撮影に応じる(左から)中村優子さん、杉田協士監督、小川あんさんら=6日、イタリア・ベネチア(共同)

 【ベネチア共同】イタリアで開催中の第80回ベネチア国際映画祭で6日(日本時間7日)、本選とは別に並行開催されている部門に出品された「彼方のうた」(杉田協士監督)が上映され、観客から惜しみない拍手が送られた。

 上映後、観客からの熱心な質問に誠実に答えた杉田監督。その後に応じた取材では「すごくいい上映だった。(自分の作品が)いつかベネチアで上映されるとは思っていなかったので、毎日、本当かなと思っている」と語った。

 主演の小川あんさんは「この映画に『ありがとう』という気持ちです」、共演の中村優子さんは「言葉にできない感じで、胸がいっぱいだった」と話した。

 「彼方のうた」は、書店員の春(小川さん)がひそかに後をつけている男性(真島秀和さん)や、不意に声をかけた女性(中村さん)と関係を築いていく様子を、説明的なせりふを排して印象深く描き出した作品。日本での公開は2024年に予定されている。

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