児童虐待、最多21万9千件 22年度、「心理的」が6割

児童相談所の虐待対応件数の推移

 全国の児童相談所が2022年度に児童虐待の相談を受けて対応した件数が最多の21万9170件(速報値)に上ったことが7日、こども家庭庁のまとめで分かった。前年度比で1万1510件(5.5%)増え、1990年度の統計開始から32年連続で増加。暴言や態度などで心を傷つける心理的虐待が全体の6割近くを占めた。

 こども庁によると、心理的虐待の中では、子どもの前で家族に暴力を振るう「面前DV」が目立つ。担当者は「夫婦げんかなどで出動した警察からの通告増が要因として大きい」と分析し、対応する児相や自治体への支援を強化する考えを示した。

 虐待相談の内容別件数は、心理的虐待が12万9484件(59.1%)で最も多く、次いで身体的虐待5万1679件(23.6%)、ネグレクト(育児放棄)3万5556件(16.2%)、性的虐待2451件(1.1%)の順だった。いずれも前年度から増えており、心理的(4760件増)、ネグレクト(4108件増)の増加幅が大きかった。

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