〈い・ろ・は・す〉と山歩き:キャンプ場よりも一歩先の自然へ。日常よりも一歩先のエコ意識へ

自然の中に身を置き、美しい風景や穏やかな時間の流れを楽しむキャンプ。その魅力にプラスαの楽しさを加えてくれるのが、トレッキングや釣りなどのアウトドアアクティビティです。今回は、アウトドアスタイリストとして活躍する近澤一雅さんとアウトドア&旅ライターの吉原徹さんが、山中湖を基点とする3時間ほどのトレッキングルートへ。〈い・ろ・は・す〉とともに一歩深い自然を楽しむ、山歩きの旅をレポートします。

近澤一雅:アウトドアスタイリスト

1977年生まれ。アウトドアスタイリストとして、ハピキャンやアウトドア専門誌などで幅広く活躍。登山やキャンプ、釣りなどをこよなく愛すアウトドアーズマンで、撮影当日は早朝4時からバス釣りをした後に山登りに参戦。

吉原徹:ライター

1977年生まれ。編集者・ライターとして雑誌や会員誌、ウェブ媒体などで活動。専門分野は国内外の旅とアウトドアで、これまで60以上の国を取材。キャンプ歴は15年以上で、撮影前日には家族で川遊びキャンプに行っていた。

キャンプ&ハイク ‐全身全霊でより豊かな自然体験を‐

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

今回の旅の舞台は、富士山の麓に位置する山中湖エリア。多くのキャンプ場が点在するこの地域には、初級者向けから上級者向けまで多彩なトレッキングルートが整備されています。

この日のために近澤さんが選んだのは〈高指山・明神山ハイキングコース〉。山中湖交流プラザを基点に、標高1,174mの高指山から切通峠を経て、標高1,291mの明神山(鉄砲木の頭)を周遊する約5km、3時間ほどのルートです。

【近澤】「普通のキャンプでは物足りなくなってきた人におすすめしたいのが、山歩きや水遊びを取り入れたアクティブなキャンプ。キャンプとトレッキング組み合わせて楽しむなら、2時間〜4時間ほどの手軽なルートがおすすめですね。キャンプ中のアクティビティとしてはもちろん、ちょっと早めにチェックアウトしてから歩くのにも程よい時間と距離なんです」

【吉原】「目指すのは標高1,200mを超える山ですが、山中湖の湖畔ですでに標高約1,000mあるので、そんなに登りもきつくないはず。子どもやトレッキング初心者と一緒でも安心して歩けそうですね。キャンプだけでも充分楽しいけれど、山歩きなどを組み合わせると、その土地の自然をより身近に感じられるし、達成感もある。キャンプ&ハイクは、個人的にも大好きです」

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

スタートからしばらくは市街地の舗装路が続きましたが、30分ほど歩くと周囲の自然が色濃くなっていきます。夏の日差しに輝く緑の森と、頭上に響く鳥の声。ともに自然を愛し、10年以上前からの仕事&アウトドア仲間である近澤さんと吉原さんは、うれしそうな表情で山道を進んでいきます。

【近澤】「木々の下に草原が広がっていて、なんだか外国みたいな風景だね」

【吉原】「少し山に入っただけで、風景が一変する。それも山歩きの楽しさだよね」

【近澤】「そういえば一緒に山を歩くのって、北アルプスの燕岳以来?あのときはけっこうキツかったよね」

【吉原】「もうお互いいい年齢だし、こんなゆる〜い“おじ山歩”が気持ちいいのかも(笑)」

トレイルを歩きながら、何気ない言葉を交わすふたり。慌ただしい街の生活から離れて、気の合う仲間と過ごす穏やかな時間こそが、アウトドアの醍醐味なのかもしれません。

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

さらにトレイルを進んで行くと、勾配が徐々にきつくなり、背後には山中湖の姿が広がります。そして、スタートから1時間ほどで、ひとつめの目的地である高指山の山頂に到着。

【吉原】「おぉ。山中湖って三日月型だったんだ!」
【近澤】「少しガスってるけどいい景色だね」

そんな言葉を交わしながら山頂のベンチで小休止。それぞれが背負ってきた〈い・ろ・は・す〉で喉を潤します。

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

【吉原】「山で飲む〈い・ろ・は・す〉は、おいしさ倍増。口当たりがやわらかいのですーっと体に入ってきますね。それにボトルが軽いのも、山歩きに選びたくなる理由です。今日は昼ごはんやコーヒー用も含めて540mlのペットボトルをひとり4本ずつ持ってきているけれど、ボトル1本当たりの重量は(飲み切って畳んだ場合)約12g。一般的な水筒よりずっと軽いし、もちろんリサイクルもできますから」

【近澤】「今回のような手軽なハイキングコースの場合、山行中に水を補給できない場所も多いんです。登山中に必要な水をすべて背負って歩くのだから、やっぱり軽さは重要ですよね。バックパックのサイドポケットに収まりやすいことや、水の残量が感覚的にわかりやすいことも、540mlペットボトルを使う利点のひとつですね」

苔むす森が続く稜線のトレイルへ、いざ

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

高指山から切通峠を経て、明神山へ。尾根伝いに続く登山道に足を踏み入れると、周囲の雰囲気は一変しました。苔のついた針葉樹の倒木、トレイルの横に咲く花々、トンネルのように枝を広げる広葉樹の森。

すれ違う人もほとんどいない静かな山道を歩いていると、豊かな自然に包まれている実感が湧き上がります。ふたりはときどき足を止めながら、周囲の風景を楽しんだり、拾った枝や葉っぱで遊んだり……。山で過ごす時間を思い切り楽しんでいる様子です。

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

【吉原】「薄くて軽いのに、ほどよい剛性があるから持ちやすいんですよね。ボトルが新しくなって、さらにスムーズに飲めるようになった気がします」

【近澤】「霧が濃くなってきたけど、それがかえっていい感じ。日本には、こんなに美しい森がたくさんあるんです。売上の一部が各地の森や水源を守る寄付活動に使われていることも、〈い・ろ・は・す〉を選びたくなる理由ですね」

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

高指山山頂から30分ほどの切通峠を過ぎると、徐々にトレイルの勾配がきつくなっていきました。足元には木の根が這うように広がり、視界を乳白色の霧が覆います。ふたりはハァハァと息を切らしながら、それでも笑顔で一歩一歩山を登っていきます。

【近澤】「あとちょっとで明神山ですね。富士山が見えるといいんだけど……」

【吉原】「大丈夫。きっと、バーンと晴れるから」

自然はままならない。だから、面白い

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

スタートから2時間30分ほど。ふたりはこの日の最高所となる標高1,291mの明神山に到着。辺り一面をススキの原に囲まれたこの場所は、本来ならば富士山を見渡す絶好のロケーションです。しかしこの日の山頂は、霧に包まれて視界ゼロ。それでもふたりは、満面の笑みで山頂到着を喜びます。

【吉原】「いやぁ、いい汗かきました。〈い・ろ・は・す〉がおいしい!」

【近澤】「見事なまでの濃霧ですね(笑)。でも、これがリアル。計画通りにいかないから、自然って面白いんですよ」

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

霧に包まれた山頂で少し遅めのランチタイム。ふたりは時折降る雨を気にする様子もなく、ガスバーナーで手際よく〈い・ろ・は・す〉を沸かしていきます。

【近澤】「今日のランチは、フリーズドライの肉吸いに塩おにぎりを入れた特製の雑炊です」

【吉原】「くぅ〜うまい!雑炊のちょっと濃い目の塩味が、疲れた体に染み渡ります。最近のフリーズドライ食品は本当にハイレベル!お湯を沸かすだけで、こんなにおいしいランチが食べられるなんて幸せです」

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

ごはんの後はコーヒータイム。使い終わったペットボトルは、もちろん持ち帰ります。

【吉原】「ボトルが軽量なだけではなく、簡単にぺたっと畳めてかさばらないのがいいですよね」

100%リサイクルペットボトルを利用する〈い・ろ・は・す〉ですが、使用済みのペットボトルを効率的にリサイクルできるところも特徴のひとつ。その点も、自然を愛するふたりが評価するポイントです。

〈い・ろ・は・す〉をきっかけに再認識。自然を想う仲間と過ごす、心地よい時間

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

雨の降る山頂で腹ごしらえをしたふたりは、下山を開始。背丈ほどもあるススキをかき分けながら、ところどころ足場が悪い登山道を慎重に下っていきます。標高を下げていくと、少しずつ霧が晴れ、眼下には湖畔の街並みが見えてきました。

Photo:Takehisa Goto
Photo:Takehisa Goto

明神山の山頂から20分ほど下ると、富士山を望む絶景スポットのパノラマ台に到着。富士山は雲に包まれていて見えませんでしたが、空は明るく、心地よい風が吹いています。ベンチに腰掛けて〈い・ろ・は・す〉で乾杯! さらに下山を続けて出発地点である山中湖交流プラザきららに到着すると、雲の奥に美しい富士山の山容が広がっていました。

Photo:Takehisa Goto

【近澤】「緑の草原、苔の森、霧のトレイル、雨の山頂、そして富士山!ほんの数時間の山歩きとは思えないほど、さまざまな風景が見られましたね」

【吉原】「自分の足で歩くからこそ、自然の大きさや美しさをより深く感じられるし、山頂を踏む達成感もある。仲間と一緒にゴールを目指しながら、たくさんの会話を楽しめるのも魅力だと思います。キャンプ&ハイクは、やっぱり面白いです!」

〈い・ろ・は・す〉とともに楽しむ山歩きは、ふたりにとって日本の自然の奥深さにふれる充実したひとときになったようです。

© ハピキャン