ダブル連結270台に増加、社整審 24問題道路行政の貢献大

社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会第23回物流小委員会が20日に開かれ、ダブル連結トラックの導入状況・利用促進策や、中継輸送の拠点整備など道路分野の物流政策について報告、確認した。
 政府の物流政策パッケージには、ダブル連結トラックの導入促進や特殊車両通行制度に関する見直し・利便性向上など道路分野に関する項目も多く盛り込まれ、「道路行政に大きな期待、貢献が求められている」(根本敏則委員長)。
 報告の中で、昨年11月に約2050㌔㍍から約5140㌔㍍にルートが大きく拡充されたダブル連結トラックは、24年問題に向けた物流効率化へ導入が進み、運行企業数、許可台数とも増加。グラブのように6月現在で15社、270台となっている。
 ダブル連結トラックの駐車マスについては6月末時点で125カ所・269台分(前年同月末237台分)を整備しており、引き続き物流事業者のニーズを踏まえ、駐車マスの整備を実施する。
 拡充区間の運行事例として福山通運、大王製紙のケースを紹介した。
 福山通運は拡充された中央道の「小牧JCT~八王子JCT」で実施、今後は拡充区間のうち熊本県~中国地方、宮崎県~九州圏内、本州~四国、関東圏内~岩手県の運行などを計画中で、7月までに20台、9月以降150台のダブル連結トラックを新たに導入予定。
 大王製紙は四国内で初の運行に向けた実証実験を6月5~8日(往復で3泊4日)に実施し、4日間で約1926㌔㍍を走行した。輸送効率の向上やCO2排出量の削減へ有効であることを確認した。
 今後の取り組みとして、事業者からの課題事項を踏まえ「事故・災害等による通行止め発生時の迂回路の確保のための通行区間の拡充など、非常時への対応」、「一般道も含めた特車許可手続きの迅速化」、「より利用しやすい道路ネットワークの確保」を主な論点に掲げ、物流事業者へのヒアリングなどを実施した上で具体的な利用促進策を検討する。
 このほか中継輸送の拠点整備では、都道府県間流動量や物流事業者のニーズの多い地域の中間地点において、既存の道路ストックを活用した実証実験や拠点整備の検討を進める。
 また、中継拠点に求められる機能、道路管理者と地域や民間との連携へ、道路管理者、物流事業者、地元自治体などが参画する検討の場を設け、議論する方向性を示した。

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