“未経験キャディ”と即席タッグ 稲見萌寧はトラブル乗り越え「67」

キャディ未経験のトレーナー、真栄城輝也氏(左)にバッグを預けた(撮影/中野義昌)

◇国内女子メジャー◇日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 初日(7日)◇パサージュ琴海アイランドGC(長崎)◇6755yd(パー72)

初日のスタート前、稲見萌寧はメジャーの難コースを前に弱気になっていた。「練習ラウンドとプロアマで回った時はバーディを獲れる気配もしなかった。『どうやって回れば良いんだろう』って思うくらい難しかったし、アンダーが出る気がしなかった」とネガティブな感情が頭から離れなかった。

残り距離の計算や番手のジャッジは全て自身で行った(撮影/中野義昌)

そこに追い打ちをかけるように、トラブルが起きた。前週に櫻井心那の優勝をサポートし、今週は稲見に帯同予定だった宮崎晃一キャディが、熱中症と思われる症状でダウンしてしまった。代わりにバッグを担いだのはキャディ未経験のトレーナー、真栄城輝也(まえき・てるや)氏だった。

「とりあえず自分でやれるのでキャディバッグだけ担いでいただければありがたかったけど、自分で判断しなきゃいけないプレッシャーはあった」。普段から残り距離の計算や番手選び、ライン読みなどは自分で行っていたこともあり、ジャッジは稲見が自分で行った。

トラブルを乗り越えて「67」(撮影/中野義昌)

「最初の方はドタバタしましたけど、その内余裕ができてきた。初めてとは思えないくらいクラブを渡したらすぐ拭いてしまってくれた。やりやすかったです」と急遽18ホールを支えてくれた“新人キャディ”に感謝した。

スタートの10番ではグリーン手前のバンカーに入れてしまいボギー発進としたが、続く11番ですぐに取り返して前半はイーブンパー「36」で折り返した。我慢の前半から一転、後半は1番(パー5)、2番で連続バーディとすると、160ydの2打目を7Iで10cmにつけた5番からは3連続バーディを奪い、一気にスコアを伸ばした。

21年に続く大会2勝目へ、初日を6バーディ、1ボギーの「67」で終えた。「きょうはいい位置で上がれたので、毎日上位にいて優勝争いに加われるように頑張りたい」と力強く話した。(長崎市/内山孝志朗)

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