2夜連続 逆転サヨナラ勝利 広島カープ 延長11回に「4番の仕事」デビッドソン(9月6日 DeNA戦)

6日、広島カープは、ホーム・マツダスタジアムで “2夜連続のサヨナラ勝ち” を決めました。延長11回、4時間22分の大激闘でした。

劇的なサヨナラ勝利から一夜明けて行われた3位・DeNAとのカード第2戦。この日の先発は、DeNA相手に防御率2.25と相性のいい 大瀬良大地 でした。

しかし、1回、2アウトから3番・佐野にホームランを打たれて先制を許します。

2回には2アウト・ランナー3塁・1塁とピンチを迎えて、打席にはピッチャーの今永。鋭い打球がファーストの横を破る、まさかのタイムリーツーベース。リードを広げられます。

大瀬良は、5回にも桑原の犠牲フライで1点を失いますが、続くピンチをなんとか踏ん張り、5回3失点でマウンドをおります。

逆転優勝へ正念場が続くカープは、そのウラ、1アウト・1塁から2番・野間峻祥 。ショートへの当たりでしたが、野間の俊足にあせった京田が悪送球。3塁・1塁とチャンスを広げます。

しかし、このあとが続かず無得点。カープは5回まで7安打を放ちますが、あと1本が出ません。

3点差のまま迎えた6回、カープは、先頭の5番・坂倉将吾 が、センターへのヒットで出塁。そして、7番・マクブルームが1軍復帰後、初めてのヒットで2アウト・ランナー2塁・1塁とチャンスを演出します。

カープは、ここで代打。打席に立つのは、17年目のベテラン・會澤翼 。

体勢を崩されながらも片手1本。執念で放った打球は、3塁線を破る2点タイムリーツーベースとなり、1点差に追い上げます。

球場の雰囲気が一気に変わります。なおも2アウト2塁で打席には、ここまで2安打と好調の 小園海斗 。代わったエスコバーの151キロのストレートを巧みに反対方向へ。打球は左中間を破り、タイムリースリーベースに。家族一丸で攻め続けたカープ、ついに試合を振り出しに戻します。

ここからはカープ中継ぎ陣が、魂の投球。7回には、4試合ぶりに登板の3番手・アンダーソンが、1番から始まるDeNAの打線を3者凡退に抑える好投。

8回は、13試合連続無失点中の 大道温貴 が、前の日と同じ3人、DeNAの主軸、牧・宮崎・ソトをピシャリ。

9回には、栗林良吏 が、気迫あふれるプレーで1アウトを取ると、最後は150キロを超えるストレートで無失点リレー。全員野球で流れをつなぎ、試合は延長戦へ突入します。

3対3のまま迎えた延長11回。カープ7番手の 益田武尚 が、エラーでランナーを背負いますが、150キロ近いストレートでショートフライに。矢野が追いつき、飛び出していたランナーが1塁に戻れず、ダブルプレー。

ドラフト3位ルーキーが無失点で流れを離しません。

そして、11回ウラ、2アウトから試合を決めたのは、今シーズン2度目の4番に座ったこの男でした。

実況
「4番のデビッドソンの登場です。きょうの成績はチャンスでダブルプレー、三振、三振、センターフライ。さきほどはセカンドフライでした。チームを救う一振りがここで出るかどうか。打った。ライト! 風は追い風だ。ライトスタンドまでもっていきました。ついに4番の仕事。デビッドソン、二夜連続のサヨナラ勝ち! 首位・阪神との甲子園決戦までカープ、負けられない。意地の一振り、デビッドソン」

広島カープ デビッドソン 選手
「とにかく塁に出ようと心がけていました。自分が塁に出て、後ろのバッターにつなぐ気持ちでいたんですけど、この2~3試合、ずっと難しい試合が続いていたので、なんとか勝ちがつくようにという気持ちでした」

ルーキー初勝利 益田武尚 投手
「野手の方に助けてもらったので、うれしい気持ちでいっぱいです。まず、みなさん、初めまして。新人の益田です。きょうは夜遅くまでありがとうございます。また、みなさんの声援が選手の背中を押しますので、今後とも応援よろしくお願いします」

広島カープ 新井貴浩 監督
「いやー、本当、2日連続、すごい試合で選手全員のがんばりには頭が下がります」

― デビッドソンの打席では?
「そうですね。ベンチでホームラン打ってくれというふうに思って見ていました」

― 會澤の打席は?
「かっこよかったですね。追い込まれて、最高のチェンジアップをまさに執念の2点タイムリーだと思います」

― 初勝利・益田の投球は?
「彼はルーキーなんですけれども、彼の一番はものおじしないってことですよね。腕をしっかり振ってバッターに向かっていけるところが、彼のいいところだと思いますね。きょうもいいピッチングだったと思います」

「ファンの方も連日、遅くまで応援していただいてありがとうございます。あしたも『その日暮らし』でがんばります」

© 株式会社中国放送