無免許運転の中山県議が辞職へ 発覚から1か月「辞めるのが遅い」有権者から厳しい声(静岡県)

無免許運転を繰り返していた、静岡市清水区選出の中山真珠県議が、9月6日、辞職願を提出しました。問題が発覚してからも、議員を続ける意思を示していた中山県議。有権者からは厳しい声も聞かれました。

(中山県議の謝罪文)

「悩み抜いた結果、県民のみなさまからお預かりした議席をお返しすることが、今の私に出来る唯一の責任の取り方であるという結論に至りました」

7日、県議会議長あてに辞職願を提出したことを、書面で報告した中山県議。書面には、有権者へのお詫びや自責の念が綴られているほか、今回の事態については、忙しさのあまり自分を見失い、正常な判断ができなくなったことが問題だったと振り返っています。当選からわずか4か月で議員辞職した中山県議に対し、地元の有権者は…。

(60代女性)

「政治家としてどうかなと思った、無免許運転じゃないですか、一般の人でも無免許運転は絶対に駄目なのに、その判別がつかないのかな」

(70代女性)

「辞めたのが遅い」

Qもっと早くやめるべきだった?

「当然です」

(80代男性)

「中山県議から名刺をもらっている、この通りで、一言で言えば残念しかないね」

中山県議は、2023年4月の県議選で史上最年少で初当選。しかし、8月4日、静岡市葵区で違反切符を切られた際、警察官に免許の提示を求められ「無免許運転」が発覚しました。この問題を受け、中山県議は、所属する会派のふじのくに県民クラブから除名処分を受けたほか、国民民主党を離党。一方、辞職はせず、無所属で議員を続ける意思を示していました。

(中山真珠 県議)

「辞めることで責任を取るというよりは、今回のことを深く反省し、一層仕事にまい進することで罪を償っていきたい」

中山県議が運転免許の失効に気付いたのは、8月1日。その翌日、免許を更新しようと、自ら車を運転して中部運転免許センターを訪れていました。所属していた会派などには「帰りは運転代行業者を利用した」と説明していましたが、その後、「帰り」も自ら車を運転していたことが発覚。虚偽の説明を受けていたことに対し、所属していた会派からも怒りを買うことになり、県議会の各会派は、辞職勧告決議案を提出する方針を固めていました。一方、体調不良を理由に「9月30日まで休養を要する」との診断書を県議会に提出し、先月の会見以降、約1か月間、公の場に姿を見せていない中山県議。6日、辞職願を提出しましたが、会見などを開く予定はないということです。中山県議が辞職願を提出したことについて、県議会の各会派は….。

(自民改革会議 増田享大 代表)

「議会からの勧告ではなく、自身の決断でこういうかたちになりよかった、9月21日の県議会の前に、こういうかたちになってよかったと思う」

(公明党県議団 蓮池章平 団長)

「政治家の出処進退は自らが決めるのが原則、本人が辞職する決断をしたことは尊重したい、もう少し早く決断をした方が良かったと個人的には思う」

一方、中山県議が所属していた、ふじのくに県民クラブの田口会長は

「今回の件で県民のみなさまに政治不信を抱かせたことにつきまして重ねてお詫び申し上げます」「議会が辞職勧告を突き付ける前に判断していただいたことはよかったと感じています」とコメントしています。中山県議が辞職願を出したことで、9月21日から始まる、県議会での辞職勧告決議案の提出は見送られることになります。

一転して議員辞職する意向を示した中山県議をめぐる経緯を振り返ります。

まず「無免許運転」が発覚したのは8月4日、その4日後に開いた会見では、議員を続ける意思を示していました。その後、体調不良を理由に議長との面会をキャンセルし、21日に「9月30日まで休養が必要」とする医師の診断書を提出していました。これをうけ、当初、辞職を求めていた自民党会派なども、中山県議から議会への説明を待つ考えを示すなど、トーンダウンさせていました。しかし、風向きが変わったのはその2日後、中山県議が、所属していた、ふじのくに県民クラブに対し、虚偽の報告をしていたことが発覚。これをうけ、自民・公明に加え、ふじのくに県民クラブも辞職勧告決議案を提出する方針を固めていました。

中山県議の後援会長を務める林芳久仁元県議はDaiichiーTVの取材に対し「進退については一貫して、自分で決めなさいと伝えてきた。3日前に中山県議の母親に電話をしたが、21日から始まる県議会への出席は難しそうだった」「今回のことは事前に本人から説明はなく、突然のことだった」と話しています。

一方、県議会をめぐっては、7月に自民党会派が、50年ぶりに知事への不信任決議案を提出しましたが、可決に必要な出席議員の4分の3となる51議席まで、わずか1票届かず否決されました。中山県議が辞職しても可決ラインの51議席は変わらないため、県議会の勢力図に大きな変化はないといえそうです。また、中山県議が辞職した後の県議補選は、今のところ2年後の知事選と同時に行われるということです。

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