まさにファクトリーカスタム W800 スペシャルエディション【バイク買取調査隊】

W800 スペシャルエディション車種プロフィール

バイクらしいスタイルが魅力のW800は2010年10月に海外輸出向けモデルとしてヨーロッパで先行発表され、翌年2月1日より日本国内仕様が発売された。1999年に発売されたW650をベースにボアアップが行われ、総排気量を773ccに拡大した。最大出力はW650と変わらず48馬力に抑えられているが、極低回転域で最大トルクを発揮させるセッティングなど熟成が図られている。2016年7月に発売されたファイナルエディションを最後に長い歴史に幕を閉じた。

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バイクインプレ

写真は2012年モデル。

W800は1966年に登場したW1を起源としている。今では「クラシック」と呼ばれているが、当時は最先端のフォルムであった。スタンダードとスペシャルエディションの違いは、カラー&グラフィックの変更、シートデザインの変更、エンジン、マフラーをブラックアウト、フューエルタンク上部に専用のロゴを採用するなどである。2016年7月にファイナルエディションを発売。その歴史に有終の美を飾った。

車両の特徴

カワサキのロングセラーモデル「W800 スペシャルエディション」のレビューをお送りする。スペシャルエディションは、塗装や外装、パーツなどが通常のスタンダードモデルと比べると高価な仕様となっている。燃料供給がインジェクション化されている以外、ADSやトラクション、コントロールなども一切搭載されておらず、このバイクがシンプルであり、スタンダード、そしてプリミティブな存在であることが理解いただけるだろう。

W800はW650 に搭載されていたエンジンのボアを5mm ほど拡大して排気量を773cc としたもので、先代モデルのW650 とはそれほど大きく変わっていないが、走らせてみるとエンジンのフィーリングは違う印象を受ける。排ガス規制に対応するために、燃料供給がインジェクション化されたことも大きく関係していると思うが、これほど乗り味が変わっているのは本当に意外だと感じた。

足付き

W800のライディングポジションは足元は自然な感じだが、ハンドルバーのグリップの位置は少し低めで、着座すると軽い前傾姿勢になる。大きさは全長2,180ミリ×全幅790ミリ×全高1,075ミリ、乾燥重量216キログラムとボリュームはあるが、シート高は790ミリと平均的なので乗車時のプレッシャーは感じないだろう。

走り

エンジンを味わってみたいと思う。高速道路上の巡航で速度は約90キロメートル、回転数は3,000回転強。トップギアからシフトダウンする。ギアは3速で速度は約90キロメートル。エンジンの回転数は4,500回転まで上がる。エンジンから豊かなバイブレーションが伝わり、「カワサキを代表するテイスティーなバイクだ」と感じさせてくれる。

もう一段ギアを落としてみよう。2速で100km弱をキープ。6,500回転だと心地は感じられなくなる。5,000回転から 6,000回転ぐらいを限度として楽しむのがこのエンジンには合っている気がする。

高速道路を走り終えての感想は、「全体的にW650と比べると乗り心地が良くなった」という印象を受けた。これは正常進化と言うか、細かな仕様変更改良などが加えられた結果だと思う。

最後にこのモデルの気になる点をお伝えする。足つき性を良くするためにライダーの着座位置が沈む作りになっているが、長い時間乗っていると少し尻が痛くなることもあるかもしれない。スリムなバイクなので、足つき性に問題がないライダーのために、フラップなシートをオプション設定されていればなお良かった。

細かい点だが、リアのアクセルシャフトのナットの緩み止めとしてコスタピンが使われている。緩み止めとしては、効果絶大だが、例えばマフラー周辺を掃除しているような時、コスタピンの飛び出てる部分がウエスなどに引っかかる可能性があるので、掃除のしやすさなども考えて改善して欲しかった。

欧州でのABSを搭載しなくてはいけないとか、排ガスに対する対応、そういったものがファイナルの要因だと思うが、このまま歴史を終わらせてしまうにはあまりに惜しいエンジンである。技術的には難しい部分もあるのかもしれないが、いずれエンジンを使って、W800のようなトラディショナルなバイクが復活して欲しい。

※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成した記事となります

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