ものづくり支え70年 24日に式典、記念誌発行 高津工友会

 川崎市北部を中心とする中小製造業の協同組合高津工友会が70周年を迎えた。戦後の混乱期に発足し、不況や円高、産業構造の変換の中でも会員企業のものづくりを支え続けてきた。中小企業にとって厳しい経済環境が続くと予想される中、「産官学や関係団体との連携強化で、さらなる発展を目指したい」(山田勝己理事長)と決意を新たにしている。24日に記念式典や記念誌を発行して「古希」を祝う。

 戦後に工場の原材料などの盗難などが相次ぐ中、自警組織をつくろうと1946年2月、40社で発足。市工業団体連合会加盟7団体で最も古い。物不足の中で機械の貸し借りや資材の調達などを行い支え合ったほか、情報交換、求人求職や労働保険事務、行政への道路など産業基盤の整備要請なども行うようになった。

 84年には高津区溝口に3階建ての事務所を建設し、93年、任意団体から協同組合となり、組合員数も約500社の組織に発展。しかし、円高による大手企業の海外移転が続き、組合員数も減少した。現在は、高津区を中心に市内、横浜、相模原、座間、東京などに277社となった。

 そうした中で、2010年から産学公連携(共同開発)支援事業や受発注支援交流事業をスタート。受発注支援交流事業では60件以上の商談例を出した。また青年部も12年に発足し、テクノトランスファーやテクニカルショウに出展するなどで活性化、技術力の強化などを図っている。

 「組合員の増加が大きな課題」とする山田理事長は今後、中期ビジョン(3年)を策定し、「メリットが見えるように受発注につながる交流の拡大、組織の活性化などを図る」と話している。

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