閉会中審査「乗り切れるのか」 揺らぐ内閣に漂う不安感 改造効果に悲観論も

 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出や物価高対策を巡る閉会中審査が8日、衆参両院で開かれる。「汚染水」発言の野村哲郎農相が答弁に立つが、与党内には「乗り切れるのか」との不安感が漂う。7日には東京地検特捜部が洋上風力発電事業での受託収賄容疑で秋本真利元国土交通政務官を逮捕。岸田文雄内閣の揺らぎは加速の一途で、取り沙汰されている内閣改造の効果も激減するのではないかと悲観論も聞かれる。

 立憲民主党の後藤祐一国対副委員長(衆院神奈川16区)によると、閉会中審査には野村農相と西村康稔経済産業相が出席する。

 自民は首相の出席要求に応じず、後藤氏は「首相は物価高対策として電気料金の引き下げ継続を表明したものの10月請求分(9月使用分)から国の補助が減り、実質値上げになる。経産相を徹底追及する」と目標を見据える。

 与党は当初、閉会中審査の開催を8月中に想定していた。

 ところが、岸田首相が「諸課題については自分が説明する」と宣言して燃料価格抑制対策などに関する説明会見を連日行ったため、「会見しておきながら国会には出ない、では整合性がとれない」(自民国対関係者)として先送りが続いていた。結果的に、外交日程が重なり「総理の物理的欠席」(同)が理由となる8日までずれ込んだ。

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