台風13号 気象庁&欧米ともに東海地方に上陸予想
台風13号は、7日午後9時現在、潮岬の南東約210kmにあって時速25kmで北北東へと進んでいます。中心気圧が996hPa、中心付近の最大風速は20m/s、最大瞬間風速は30m/sとなっています。
気象庁
7日午後9時の発表では、台風13号はこのあとも北上を続け、8日午後9時には静岡県三島市付近を中心とする予報円に達する見込みです。その後は関東地方を北上して、9日午後9時には三陸沖を中心とする予報円に達して、この頃には熱帯低気圧に変わるとみられます。
きのう6日の予想に比べて西よりに変化しています。気象庁以外の海外予報機関も、台風は東海地方への上陸を示唆する予想となっています。
アメリカ海軍
上陸地点は気象庁の予想とほぼ同じような傾向ですが、その後も北寄りへと進んで日本海へ抜けるコースを予想しています。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
アメリカ&ヨーロッパモデルの進路予想は
気象庁の進路予想で示される予報円は「その時刻に台風の中心が入る確率が70%」であることを意味しています。予報円の大きさは進路予想のブレ幅を表しています。
台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行います。数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
アメリカ海洋大気庁
アメリカ海洋大気庁の予想は、さらに西寄りへ進むデータが多く、愛知県付近に上陸するデータが目立ちます。日本海へと抜ける予想です。
ヨーロッパ中期予報センター
ヨーロッパ中期予報センターの進路予想では、東は関東地方から西は愛知県付近まで幅があります。
各国の進路予想にはブレ幅がありますが、西よりへと進路を変えた大きな要因が、上空の偏西風が大きく蛇行したことで、上空に寒気を伴う渦ができることです。
偏西風の蛇行で寒冷渦が発生 台風を引き寄せる
日本列島には西から上空の気圧の谷が近づき、偏西風が大きく南へと蛇行しています。それに伴って寒気が南へと落ちてきています。そしてついには偏西風から切り離されて上空に寒気を伴う渦となっています。切離低気圧(寒冷渦)と呼ばれています。
この上空の渦の流れに引っ張り込まれる形で台風13号の進路が北東方向から北へと変わったために、きのうまでと比べて西よりのコースをとると予想されています。
台風の北側を中心に発達した雨雲がかかって非常に激しい雨が降ることが予想されています。地元気象台による最新の気象情報を確認しながら、気象レーダーなどを活用して警戒してください。