盲導犬 視覚障害2級も 茨城県、給付申請対象が倍増

盲導犬(イメージ)

視覚障害者に付き添う盲導犬の給付申請を巡り、茨城県が対象者の障害等級を「視覚障害2級」に拡大したことが7日、分かった。これまでは全盲など視力がほぼない「1級または準ずる者」が対象だったが、関係者の要望や視力を完全に失う前に盲導犬との生活を始める意義などを考慮し、7月から2級でも申請できるようにした。県は視覚障害者のさらなる社会参加につながるよう期待を寄せる。

同日の県議会定例会で、磯崎達也氏(いばらき自民)の一般質問に対し、山口裕之福祉部長が答えた。

県は2003年7月から「県身体障害者補助犬給付事業」を実施し、申請を受け付けてきた。国と県が1匹当たり約200万円を折半して負担し、盲導犬訓練施設への育成委託料として支出している。同給付の活用などにより、県内では今年3月末時点で盲導犬18匹が活躍している。

視力を完全に失わなくても盲導犬のサポートを必要とする人に配慮し、視覚障害2級にも対象を拡大した。視覚障害の度合いが徐々に重くなるケースも多く、視力を完全に失う前に盲導犬との生活を始めるメリットがあることや、当事者・関係団体などからの要望も踏まえた。

22年3月末時点で、県内の視覚障害1級は2218人。2級は1869人で、盲導犬の給付申請の対象者は2倍近くになる。現時点で、2級の視覚障害者からの申請はない。

県障害福祉課の担当者は「視覚障害2級の方々にも盲導犬を利用する選択肢が加わったことで、さらなる社会参加につながってほしい」と期待した。一方、県内で盲導犬同伴の入店を断られる事例もあり「盲導犬に対する県民の理解浸透を図っていきたい」とした。

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