全区立中、海外へ修学旅行 東京・港区、24年度から

シンガポールの観光名所の「マーライオン」像=2018年6月(共同)

 東京都港区は2024年度から、全区立中学3年生の修学旅行の訪問先を海外にすることを決めた。区によると、全ての公立中の修学旅行を海外で実施する自治体は都内初で、全国的にも珍しい。異文化を直接体験し国際理解を深めることが狙いで、1人当たり50万円程度を区が負担する。

 24年度は来年6~9月、区立中10校の3年生約760人が3泊5日の日程でシンガポールを訪れる予定。英語圏で時差が小さく、治安が安定していることから決めた。現地の生徒との交流などを予定している。

 各家庭の負担額は、これまで奈良や京都で実施していた際の約7万5千円と同水準に収め、超過分を区が負担する。同行する教員の旅費や事前調査費などを含めた事業費は約5億1200万円で、9月の区議会に提出の補正予算案に盛り込んだ。

 港区は、区立小で英語を学ぶ「国際科」の授業を1年生から取り入れるなど、国際的な人材育成に力を入れている。海外での修学旅行実施について、担当者は「地球規模で物事を考える広い視野を育み、さらなるステップアップに生かしてほしい」と話している。

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