看護師確保に懸命 茨城・神栖市、人数全国下回る 合同就職相談会 職場環境や待遇PR

3医療機関が参加した神栖市看護師合同就職相談会=同市木崎のかみす防災アリーナ

看護師数が全国平均を大きく下回っている茨城県神栖市は、その充足に懸命だ。看護師が不足すると、病床をフルに活用できず、一部を閉鎖せざるを得ないなど地域医療に与える影響は大きい。2日には市内の3医療機関の合同就職相談会を開催し、働きやすい職場環境や待遇面などを熱心にPRした。市地域医療推進課は「市内の病院で働く看護師を一人でも多く確保したい」としている。

厚生労働省の調査によると、2020年度の人口10万人当たりの看護師数の全国平均は1015.4人。これに対し、県平均は820.5人で、同市は499.7人と極端に少ない。

同課によると、一般的に結婚・出産を契機に退職する機会が多く、特に夜勤のある職場は敬遠されがちだ。また、医療現場から長期に離れていると、復職のハードルが高くなるという。

合同就職相談会は昨年12月に続き、今回で2回目。相談会には白十字総合病院(賀)、神栖済生会病院(知手中央)、鹿嶋ハートクリニック(平泉)の3機関が参加した。

ベテランの看護師だけでなく、若手看護師や事務職員も参加し、職場環境や待遇面、福利厚生面などについて詳しく説明した。ブースには職場の写真も貼られ、雰囲気を伝えることに努めた。さらに復職者向けの採血などの技術研修のコーナーも設けられた。

この日は復職希望者だけでなく、看護師を目指す生徒らも参加した。神栖済生会病院の吉田千賀子看護部長は「一人でも多く採用したい。採用後も、働き続けてもらえるよう、病院が工夫を続けていることも説明した」と話した。

市は本年度中に相談会をもう一度開催する予定。同課は「地域医療の体制強化には医師だけでなく、看護師ら医療従事者の充足も必要不可欠。看護師確保に一層力を入れていきたい」と強調している。

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