【特別対談:佐藤寿人×近賀ゆかり】広島のレジェンドが明かす「カープの存在感」。目指すべき地域密着の在り方

世界は大きな変化の真っただ中にいる。特に日本は非常に多くの社会課題に直面しており、「課題先進国」としていかに問題を解決し、乗り越えていくかが問われている。誰にとっても他人事ではなく、それはスポーツ界、アスリートにとっても同様だ。

日本財団が運営するプロジェクト『HEROs』では、“スポーツが持つ力”を活用して社会貢献の輪を広げることを目的としており、多くのアスリートやスポーツチームの活動を支援・推進している。アスリートは競技以外の場で何ができるのか。そしてスポーツの社会的な価値とは何なのか――。

アスリートの社会貢献活動について考える連動企画1回目は、サンフレッチェ広島を3度のリーグ制覇に導いた元サッカー日本男子代表の佐藤寿人氏と、FIFA女子ワールドカップ優勝を成し遂げたなでしこジャパンの中心メンバーでサンフレッチェ広島レジーナの初代キャプテンを務める近賀ゆかりの対談をお届けする。広島を例に、アスリートにできる地域貢献のあり方を考えたい。

(インタビュー=岩本義弘[REAL SPORTS編集長]、構成=REAL SPORTS編集部、近賀ゆかりさん写真=2020 S.FC、佐藤寿人さん写真=©RISE TOKYO、HEROs AWARD写真=日本財団HEROs)

カープの試合日の広島は、ヨーロッパサッカーの雰囲気に似ている

――佐藤さんはサンフレッチェ広島で12年間プレーして2012シーズンにはクラブを初のリーグ優勝に導き、近賀さんは昨年新設されたサンフレッチェ広島レジーナの初代キャプテンに就任しました。そんなお二人から見て、広島という地域において「サンフレッチェ広島」というクラブはどのような存在だと感じますか?

佐藤:2012年のリーグ初優勝まで(ステージ優勝を除くと)それらしいタイトルもないですし、今年Jリーグは30周年を迎えましたけども、プロ野球と比べると歴史の部分でも圧倒的な差があるのを実感しました。やはり広島というと「広島東洋カープ」という地元に根強く愛されているスポーツチームがあり、街を歩けば街一色カープの赤です。 もちろん、サンフレッチェを応援してくれている地元の方々もたくさんいます。けれども、どうしても「広島=カープ」というのが影響力の部分でも高い位置づけになっていると思います。

自分自身、初めて広島に来たときに「地元からの注目度がそれほど高くないな」と感じました。2012年に初優勝した時の地域の反応からは、特にそう感じましたね。現役を引退した今、外から見ている立場からも、やはりどうしても街中を紫に染めるというのはなかなか難しいのかなと感じますね。

――そういう意味では、佐藤さんも現役時代に強く訴えていた新サッカースタジアムが、2024年開業に向けて今年2月に建設が着工しました。街の中心にできる新スタジアムを通して、広島でサッカーの熱狂をつくれる可能性はすごくありますよね。

佐藤:結果的に、ようやく形になりましたね。もっと昔の1990年代あたりからいろいろな人たちが話を始めて、クラブとしても声を上げていったけれどもうまく話が進まず、頓挫しかけた時期もありました。新スタジアムがクラブの価値を高めるきっかけや、広島におけるサッカー熱を高めていくためのチャンスになればいいなと思っています。

――近賀さんは、昨年レジーナに移籍するまでは広島と縁がなかったわけですよね。実際に住んでプレーをしてみて、広島という土地についてどういう印象を持っていますか?

近賀:やっぱりスポーツにおいては、カープが一番上にあって、野球以外の競技も含めてスポーツへの関心は他県より高いんじゃないかなという驚きがありました。

実際に、レジーナが立ち上がった時の新体制発表会でもメディアの数がものすごく多くて。それこそカメラの数でいったら、(FIFA女子)ワールドカップで優勝した時以来というか。「女子サッカーにも目を向けてくれる」という地域の特性は、広島に来て最初に感じた第一印象です。

ただ、やっぱり広島にとってカープは一目置かれる存在だと感じます。カープの試合を見に行った時、平日夜だろうが関係なく地域のみんなが応援している雰囲気がヨーロッパサッカーの感覚に似ていたように感じて、すごくうらやましくて。日本でも、サッカーの試合でこういう状況になることを目指したいですね。すごく印象に残っています。

「ファンサービス」ではなく「日ごろの感謝を伝える場にしたい」

――お二人からカープの名前があがりましたが、実際にカープはおそらく日本のスポーツチームの中でも最も地域振興に貢献している印象があります。広島という土地柄、地元愛が非常に強いですよね。

近賀:カープを中心に回っている日々を送っている人は多いと思います。たとえば、前日の試合結果はみんな知っている。選手の名前も一人、二人は必ず答えられるんじゃないかなと。そういった地域への密着度を考えると、地元の人同士がカープでつながっているんじゃないかなと思います。カープが勝てば広島も明るくなる、というような雰囲気です。

――佐藤さんは、サンフレッチェのレジェンドとして、カープと地域の関係性をどのように見ていましたか?

佐藤:もう人生の3分の1は広島にいるので、第二の故郷ですね。その中で、やっぱり地域内での発信力はカープが抜きんでて高いです。常に地元の人たちの話題になっていて、選手の露出も圧倒的に多い。

僕も広島以外にいろいろな地域でプレーしましたけども、これほど選手一人一人がいい意味で発信力を持って、いろいろな企業にも起用されるというのは、なかなかないことだと感じます。

近賀:カープを雲の上の存在と思うのではなく、自分たちも地域の人にとって身近な存在でありながらスタジアムで応援したいと思わせる選手・クラブでなきゃいけないなと常に考えさせられています。

佐藤:「ファンサービス」というのも、選手がファン・サポーターに対して行なう行為というよりは、日ごろ練習や試合に来てもらっていることに対しての感謝を伝える場にしたいと考えていたので、サンフレッチェにいる時はできる限りカープの選手以上にいい印象を持ってもらえるような選手・クラブでありたいなと思っていましたね。

――実際に地域のイベントで、佐藤さんが本当に丁寧にファンの人とコミュニケーションを取っていたのを見て、本当にすごいなと思っていました。

佐藤:それこそ僕が広島に移籍してきたころはスタジアムが1万人を下回る試合も多くて。その前に所属していたベガルタ仙台は2万人で満員になるような環境でやっていましたが、広島に行ってそれほどまでの熱狂的な歓声を受けることがなかったんですよね。

ただ、そういった中でも来てくれる人たちがいて、クラブや選手のために声を出して応援してくれて、一緒に喜びも悲しみ共感しながらファン・サポーターが増えてきてくれました。その上で結果も伴っていくことができたので、やっぱり最初の思いは大事にしようと思ってやってきました。

――レジーナの歴史は始まったばかりですが、地域との関係性づくりについてどう感じていますか?

近賀:やっぱり、女子サッカーの試合を見に来てもらうためにはさまざまな力が必要だと思います。時間もかかるかもしれません。その中でも、やっぱり選手は結果を出していかなければならないということはいわれています。「強ければ見に行こうかな」って思う気持ちはあると思うので。

そして、応援してくれる人との関わりというのも必要不可欠だとすごく感じている中で、コロナ禍でレジーナが始動したと同時にWEリーグがスタートしたので、地元でのイベントがほとんどできていなくて。地域の人たちと関わる機会がないことに、本当にすごく歯がゆさを感じています。

できたてのチームだからこそ、地域の人と関わることで身近に感じてもらって試合に来てもらうということをやっていかなきゃいけないと思いますし、関わった人たちに対しての接し方も絶対大事です。チームのサッカーへの姿勢もすごく見られるということも感じます。

発信し続けることの大切さ

――広島は、世界で初めて原爆が落とされた場所でもあり、世界平和の象徴的な街ですけれども、広島に住んでみてどのような意識の変化がありましたか?

近賀:先日の日本代表の試合(3月29日、FIFAワールドカップ アジア最終予選)の後に、長崎出身でもある日本代表キャプテンの吉田(麻也)選手が「世界で唯一の被爆国として戦争の恐ろしさを世界に訴えていかなければいけない」と発言していました。あのような場でそういった発言をするのはすごく勇気がいることだと思います。そういった世界への訴えかけができるのも、スポーツにできることの一つなのかもしれない。

そういう点では、広島も世界平和を呼びかける役割を担っている場所だと思います。ここで今プレーしている私自身、他の地域にいた頃と比べてそういった意識の変化を感じています。――佐藤さんは、サンフレッチェに所属していた時にもさまざまなイベントに参加した経験があると思います。あらためて、アスリートが社会のためにできることとはどんなことだと思いますか?

佐藤:アスリートは注目されている分、社会的なメッセージ性や影響力が強い部分もあると思います。一つ一つの言動も注目されますし、もちろんそれに伴う責任も生まれてくる。 やはり、どうしても風化して忘れ去られていってしまうことのほうが圧倒的に多いと思うので、「何が起きたのか」ということと、「二度と起きないようにするためにはどうしたらいいのか」というところも含めて示し続けていかなければいけないな、と。

アスリートも、「なぜ自分たちがプレーできているのか」を考えたら、スポーツというのは本当に平和があって初めて成り立つものだと、今日の世界情勢において感じたと思います。これまでの歴史を理解して、平和のためにできることを考え、正しい意見を持って示すことが大事です。もちろん、アスリートは政治家ではないので具体的なアクションはなかなか難しい部分はあります。ただ、発信し続けることはすごく大事な役割なのかなと思っています。

――アメリカ女子代表のミーガン・ラピノー選手をはじめ、海外のアスリートは政治的な部分に対しても積極的に発信しています。日本と海外のサッカー界で長年活躍されてきた近賀さんは、海外と日本との違いをどのように感じますか?

近賀:それこそ、ラピノー選手はワールドカップで優勝しても「ホワイトハウスには行かない」と言ったり、ジェンダー平等についても積極的に発信しています。そこと比べると、影響力の大きさという部分でも日本はまだまだ難しいと感じます。

佐藤:個人のSNSでの発信だったら自由だと思うんですが、たとえば試合後のインタビューはあくまでも所属クラブの選手としての立場になります。代表選手でも、「こういうことはしゃべってもいいけれど、こういうことはやめておこう」というルールが少なからずあって。日本人はルールを守ることに対してはしっかりしていると思うので、なかなか発信が難しいところもあると思います。

あとは個人の判断にはなりますけれど、受け取る人のニュアンスによっても伝わり方がだいぶ変ってきてしまいます。だから、個人で判断して積極的に発信するという環境にはなりにくいのかなと感じますね。

――そういう意味では、佐藤さんがさまざまなところで訴えていた新スタジアムの建設に関する発信も難しいところがあったのでは?

佐藤:そうですね。やはり、強く何度も発信してしまうと「あくまでも自分たちがほしいからだろう」というふうに取られかねないので。広島の街のことを考えたときに、街中にスタジアムがあったほうが地元の人たちにとっていい部分が多いだろうという思いがあっても、発信するタイミングはすごく考えました。

やはり組織の中でバランスを取ることが、日本人的な生き方だと思うんです。もちろん、ときにはそれがいい部分もありますし、問題解決の足かせになる部分も少なからずはあると思います。なので、バランスを取りながらどういう意見に対しても耳を傾けるということは大事なのかなと。

――賛否両論が巻き起こっていなかったら新スタジアムは実現できなかったかもしれませんよね。

佐藤:本当にそうですね。正直、僕らが活動している間にできるとは思っていませんでした。自分たちがアクションすることによって、子どもたちが将来街の中心のスタジアムでプレーできるようになって、そういう子たちがサンフレッチェでプレーするという未来をどれだけつくっていけるのか、という思いでやってきたので。

この話自体がなくなる可能性も十分あったと思いますが、その中で行政の方たちがいろいろな部分で調整して前に進めてくれたので、本当に感謝しかないです。

――新スタジアムはレジーナも使用することになるようですが、新しいスタジアムのこけら落としを迎えられるクラブにいるというのは、すごくワクワクしますよね。

近賀:そうですね。私たちは、今まで行動をしていただいた方々の苦労をほとんど知らないですが、本当にいろいろな人の思いが詰まったスタジアムだということは聞いています。サッカー関係の人からは「あれだけ街の中心にできることはめったにない」と言われたりスタジアム構想の話を聞いて、本当にワクワクしています。

「自ら考えて、行動して、責任を取る」

――アスリートがピッチ外でも影響力やパワーを社会に還元していくにあたって、たとえば「競技に集中しろ」というような見方など、壁もまだまだあると感じています。興味はあってもアクションを起こせずにいるアスリートに向けて、どのような言葉をかけたいですか?

佐藤:外にジャッジを求めている限りはおそらく、その一歩を踏み出せないと思います。何をするにあたっても、結果的には自分で責任を取るものだと思っているので。たとえば2018年に広島で豪雨災害があった際、「自分たちに何ができるのか?」と考えたときに土砂撤去の戦力の一人になるしかないということがあったんです。

僕は当時名古屋グランパスにいましたが、広島出身の宮原(和也)と一緒にグランパスに一言断りを入れました。「人手が足りないということだったので、オフに行きます」と。それに対して、クラブからは「行くな」とも何も言われませんでした。

自分自身で考えて一歩を踏み出さなければ、何も変わらないんです。もちろん、人に理解してもらうに越したことはありませんが、最終的には「自分が何をしたいのか」なので。クラブ的には、選手の疲労やリスクなどを考えたら何もしないほうがいいとは思うんですけれど、意思を持ってちゃんと言葉にして、コミュニケーションを取るべき人とコミュニケーションを取って、どうやって物事を前に進めるのかということが大切です。

万が一何かが起きたときにはもちろん、その行動を起こした自分自身がその責任を負わなければいけないと思うんです。だから、「これはできるけれど、これはできない」ということも全部自分で判断しなければいけなくて。ちゃんと自分で判断できるようにならなければいけないのかなと感じます。

近賀:私も寿人さんと同じで、まず「何が必要か」「何をするべきか」ということを考えます。いざ行動に移すときには、やはり所属クラブにとって迷惑がかからないか、というところも考えなくてはなりません。

たとえばコンディションが落ちるなどリスクもあるかもしれませんが、そういうリスクを超えて自分が必要だと思ったことはやったらいいと思います。ただ、自分で決めたことは本当に個人の責任です。言い訳はできないですし、しない。だからこそ、まずは何が必要かを考えて、行動をして、責任を取る。そういうシンプルなことだと思います。

「サッカーしかやってこなかった」と言ってしまいがちだけど……

――日本財団のHEROsはアスリートの競技外での社会貢献活動を推進、サポートしています。近賀さんはメンバーにもなっており、佐藤さんはAWARDへご出席なさったこともあります。活動に参加してみて、感じたことを教えてください。

佐藤:初めてHEROs AWARD(編集部注:HEROs主催で行なわれる、アスリートの社会貢献活動を表彰する式典)に参加させていただいたときに、アスリートの横のつながりが生まれて、いろいろな他競技の人たちの思いを知ることができました。

(2021年のHEROs AWARD表彰式にも多くの現役サッカー選手やOBが参列した)

(2021年 HEROs AWARDの表彰の様子。女性部門を受賞した寺田明日香さん)

もちろん、すごくいろいろな方がいるわけです。注目されている方もいれば、マイナー競技の中で地道に社会貢献を続けている方もいます。その中で「じゃあ自分って何なんだろう」「自分には何ができるんだろう」というふうに自分に置き換えて、それぞれが考えたり、行動に起こしたりすることにつながっていくのだと思います。

HEROsアンバサダーとしても活動されているヒデ(中田英寿)さんと話をする機会があったんですが、サッカー界の先駆者であり僕にとって偉大な大先輩であるヒデさんも、「そういうつながりが生まれることを望んでいた」ということをおっしゃっていました。

あとは社会貢献活動というか、社会へ向けた活動というのは一回だけではだめだと思うんです。やはり、それを続けることの難しさを感じている中で、HEROs AWARDでさまざまなアスリートが受賞されているのを見て、続けることの価値というのもすごく感じました。

自分自身も何度かそういった活動をしていますけれども、「本当の意味で続けられているのか」とか「どれだけできているのか」といったら、まだまだかなというふうには感じます。でも、それを感じることも含めて自分にとって学びの機会になっています。

近賀:スポーツって日本においてはあまり価値が高くないように感じていたところがあったんですけれど、HEROsを通じて他競技とつながりを持って地域などでいろいろな社会貢献をしていく人たちの様子を見ていると、そうでもないなと。すごく力を感じるというか。私もよく「サッカーしかやってこなかったから」と言ってしまっていましたが、HEROsの方々を見ていると、それぞれの競技で培ってきたものを最大限に生かして、社会に向けて発信をしています。

アスリートにはいろいろなイメージがあると思いますけども、やっぱりポジティブなイメージが大きいと思うので、ピッチ外の活動でも元気を与えたり「何かをやってみよう」という力を与えるような働きができるのも、スポーツが持つ力なのかもしれないとすごく感じています。そういう部分でスポーツは本当にいろいろなパワーを秘めていると思うので、さらにこういう活動を広げていくことも含めて、スポーツの価値が日本で高まっていくことが必要なのかなと思っています。

<了>

■『HEROs』とは
アスリートの社会貢献活動を推進することを目的に、日本財団が立ち上げたプロジェクト。多大な影響力を持つアスリートが社会貢献活動に取り組むことは、多くの人々に社会課題に対する意識や社会貢献活動への関心を生み出し、社会課題解決の輪を広げていくことにつながる。そのためにHEROsでは、ACADEMY / ACTION / AWARDの3つの事業を通じて、アスリートを中心とした社会貢献活動のプラットフォームをつくり、必要な情報提供やサポートを行っている。
元サッカー日本代表の中田英寿氏、元メジャーリーガーの松井秀喜氏、元柔道全日本男子監督の井上康生氏、元ラグビー日本代表の五郎丸歩氏、日本人初のNBAプレーヤー田臥勇太、プロボクサーの村田諒太ら多くの現役/元アスリートがHEROsアンバサダーに就任。HEROsの活動を推進している。

■『HEROs AWARD』について
社会とつながり、社会の助けとなる活動を行うアスリートや団体の取り組みに対して毎年1回表彰を行い、スポーツやアスリートの力が社会課題解決の活性化に貢献していることを社会に周知することで活動を後押しし、社会貢献活動をより多くの人々が取り組むようになることを目指すプロジェクト。2022年度のエントリー期間は5月9日(月)~7月31日(日)。
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PROFILE
佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年生まれ、埼玉県出身。元サッカー日本男子代表。ジェフユナイテッド市原(現 ジェフユナイテッド千葉)ジュニアユース、ユースを経て2000年にトップチームへ昇格。セレッソ大阪、ベガルタ仙台を経て、2005年より12年間プレーしたサンフレッチェ広島で3度のリーグ優勝を成し遂げた。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフユナイテッド千葉へ移籍後、2020年シーズンをもって現役を引退。Jリーグ通算220ゴールの歴代最多記録を持ち、日本代表としても通算31試合出場、4得点を挙げ活躍した。現在は解説者や指導者として活動している。

近賀ゆかり(きんが・ゆかり)
1984年生まれ、神奈川県出身。サンフレッチェ広島レジーナ所属。湘南学院高校を卒業後、日テレ・ベレーザ(現 日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、INAC神戸レオネッサで計7度のリーグ優勝を成し遂げた。その後アーセナル・レディース(現アーセナル・ウィメン/イングランド)他オーストラリアや中国といった海外クラブやオルカ鴨川FCを経て、2021年よりWEリーグ開幕とともに新設されたサンフレッチェ広島レジーナへ移籍、初代キャプテンに就任。サッカー日本女子代表では通算100試合出場、5ゴールを挙げ、2011年FIFA女子ワールドカップ優勝、2012年ロンドンオリンピック銀メダル獲得に貢献。2019年よりHEROs アンバサダーとして活動。

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