アドレスは右足体重or左足体重? その分岐点は「40ヤード」

ドライバーの低いスライスやショートアプローチのミスに悩む受講者

平らな練習場でナイスショットを連発していても、コースに出るとうまくいかずに大きく乱れてしまいがち。開き直って全く練習せずにコースに臨むのも、なんとも心もとないですよね。コースに出る頻度が少ない人ほど、練習場ではテーマを絞って、それをしっかりと自分のものにしておくのが上達の最短ルートです。その中でも絶対に外せないのが、アドレス時の体重配分といえるでしょう。

今回の受講者は…

「上半身が突っ込みがちで、ドライバーは低いスライスが多くて飛距離が出ません。また、短いアプローチが特に苦手で、今の打ち方でいいのかもよく分かりません。練習してもポイントが分からないし、ほとんど練習しないでコースに出ちゃうタイプなので、100を切るために自分が意識すべき練習ポイントなどを知りたいですね」(早川さん ゴルフ歴7年、平均スコア110前後)

ドライバーの左足体重アドレスはダウンブローの原因に

ドライバーはアウトサイドイン&ダウンブロー軌道で飛距離が出ない

早川さんのインパクトの瞬間のヘッド挙動は、約4度のダウンブローで、3度のアウトサイドインになっていました(ドライバー)。効率よく飛距離を伸ばすためには、インサイドアウトのアッパブローが理想ですが、その真逆になっていますね。これを良い意味でとらえるなら、軌道を改善するだけで、ものすごく飛距離が伸びる可能性があるということです。

左足体重のアドレスがダウンブローの原因

ドライバーの理想的な軌道と正反対のアウトサイドイン&ダウンブローを理想的な軌道にしていくためにはどうすればいいのか。やるべきことはいろいろとありますが、真っ先に取り組むべきはアドレス時の体重配分です。早川さんの場合、アドレス時におよそ7割も左足に体重がかかっています。ここはもちろん平坦な室内ですが、左足下がりの傾斜地に立っているのと同じようなアドレスになっています。このままスイングすれば、ダウンブローになって当然です。

顔の正面にヘッドを構えてから前傾することで体重配分が左右均等に近づく

ドライバーのアドレスで初級者にありがちなのは、左足の前にセットしたボールの位置にヘッドを合わせてからアドレスしてしまうこと。これだと、左足体重になりがちです。アドレスの体重配分を整える手順としては、まず、剣道のように顔の正面(空中)にヘッドを据え、そのまま前傾して真下にヘッドを下ろします。これだけで、体重配分は左右均等になります。ドライバーでは当然、ヘッドがボールから少し離れた位置にセットされます。そのまま振っても良いですし、違和感があるのなら、最後の最後に、ヘッドをボール側に寄せるようにしましょう。

ショートアプローチはアドレスから左足体重が基本

アプローチではドライバーとは逆にアドレスで7割以上も右足体重になっている

左足体重がNGのドライバーに対して、ショートアプローチでは左足体重のアドレスが基本になります。ざっくり、そう覚えておくといいでしょう。40yd以上のショットのアドレスでは左右均等の体重配分を意識し、40yd以内のショートアプローチでは、左足体重を心がけます。早川さんを含め、多くの初級ゴルファーはボールを高く上げたいという思いから、右足体重になりがちです。ではなぜショートアプローチでは、アドレスの時点から左足体重にしておくべきなのでしょうか?

ショートアプローチは下手で投げるイメージ

ショートアプローチでは、アドレスであらかじめインパクトの形を作っておきます。このように構えることで、余計な体の回転が抑えられて腕主体のスイングになり、ヘッド軌道の安定や距離感の作りやすさにつながるのです。イメージとしては、ボールを下手投げするような感覚。では、具体的なアドレスの作り方を覚えましょう。

アドレスでインパクトの形を作れば自然と左足体重になる

手順としては、両足の間隔を狭めてオープンスタンスにし、インパクト時の腰が開いた形を作ります。そして、ボールを右足つま先前にセットしましょう。そこから胸を正面に向ければ完成です。これだけで、自然に左足体重になります。腕で振るコツとしては、腕を固めてパターのように振ろうとしないこと。グリップをギュッと強く握らず、2割くらいの力で柔らかく握り、ヘッドの重みを感じながらダウンスイングすることが大切です。

最後に今回のショートアプローチレッスンを動画でおさらいしましょう。

動画:アプローチのミスを減らすアドレス法とは?【サイエンスフィット】動画はオリジナルサイトでご覧ください

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