富士フイルム、放送用ズームレンズ「FUJINON HZK24-300mm」新開発。Duvoシリーズに待望のポータブルレンズ

富士フイルム株式会社は、シネマライクな映像表現と放送用レンズの操作性を両立した放送用ズームレンズ「Duvoシリーズ」の第二弾として、ポータブルタイプの「FUJINON HZK24-300mm」(愛称「Duvo Portable

」)を開発した。

「FUJINON HZK24-300mm」は、2つの大型センサー

に対応するデュアルフォーマット方式を採用したレンズ。浅い被写界深度によるボケ味を生かしたシネマライクな映像表現を実現するという。

小型・軽量なポータブルタイプで、スポーツ中継やライブ・コンサート中継などで高い機動性を発揮する。

なお、「FUJINON HZK24-300mm」の発売は、2024年春を予定している。

同社は、2023年9月15日〜18日にアムステルダムで開催される国際放送機器展「IBC2023」にて「FUJINON HZK24-300mm」と、すでに開発ロードマップで示している、焦点距離14-100mm・軽量が特長の広角ズームレンズ「HZK Wide」を参考出展する予定であるという。

特長

小型・軽量ながら焦点距離24-300mmをカバーする12.5倍ズームを実現

焦点距離24-300mmをカバーする12.5倍ズームと全長270.5mm・重さ2.95kgの小型・軽量を両立している。

レンズに内蔵されているエクスパンダー

を使用することで、焦点距離を望遠側に1.5倍伸ばした36mm〜450mmにシフトさせることが可能。遠く離れた場所からでも被写体を意図通りの大きさで捉えることができる。

2つの大型センサーに対応したデュアルフォーマット方式を採用

通常はスーパー35mmセンサーに対応。内蔵のエクスパンダーを使用すると、イメージサークルの大きさを1.5倍拡大できるため、スーパー35mmセンサーよりもさらに大きい35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラにも使用可能

35mmフルサイズ相当のセンサーを搭載したカメラとの組み合わせでは、優れた光学性能を最大限に引き出しながら、スーパー35mmセンサーと同等の画角での撮影が可能。

美しいボケ味を生かしたシネマライクな映像表現が可能

高精度に研磨された大口径非球面レンズ・スーパーEDレンズの採用により、各種収差を徹底的に抑制。4Kを超える光学性能を発揮する。

さらに、ゴーストやフレア、色にじみを抑えることで、高精細かつ自然な描写を実現する。

大型センサーに対応する高倍率レンズながら、広角側でT2.9の明るさを実現。屋内コンサートなど低照度環境下での撮影が可能。

アウトフォーカス部をいくつかのレイヤーに分けてボケの質感を検証し、ピント面から背景にかけて自然に溶けていくボケ味を実現。

被写体を際立たせたシネマライクな映像表現が可能。

各種アクセサリー※5を用いた操作に対応

ポータブルタイプの放送用ズームレンズと同じドライブユニットを搭載。ズームデマンドやフォーカスデマンドを用いた、放送用レンズと同じ撮影スタイルで操作が可能。

肩担ぎはもちろん、ステディカム

を利用した手持ち撮影やクレーンを使用したハイアングルの撮影を行うことができる。

複数台のカメラで同時に撮影を行うマルチカメラオペレーションにも対応。効率的な映像制作をサポートする。

映画・CMなどの制作現場で使用されるワイヤレスレンズコントローラーに接続することで、フォーカス/アイリス/ズームの遠隔操作が可能。

シネマ業界で主流の撮影スタイルである、フォーカス操作専任者によるピント合わせにも対応。

フォーカスリングのギアピッチ

は0.8M(モジュール)を採用。フォローフォーカスや外付けモーターなど、映像制作における標準的な周辺アクセサリーの使用が可能。

快適な撮影・編集をサポートする機能を搭載

フォーカス時に生じるブリージング(画角変動)を自動的に補正する「Breathing Compensation Technology」を搭載。撮影中の被写体サイズが変わらないため、自然な映像を実現。

カメラやロボティックのコントロールパネルを通じて、リモートでフランジバック

を調整する「Remote Back Focus(RBF)」を搭載。スタジオや中継車などの大きなモニターを見ながら精度の高いバックフォーカス調整を実現。

カールツァイス社が/i Technology

に準拠して開発した「ZEISS eXtended Data(ツァイス・エクステンデッド・データ)」に対応。撮影時のレンズメタデータを外部出力できるため、撮影後の編集作業を効率化する。

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