台風13号接近前から大雨 伊豆諸島と関東南部で線状降水帯発生 土砂災害などに厳重警戒 台風は今夜に静岡県上陸へ

8日(金)午前9時現在の台風13号の位置(ウェザーマップ)

 台風13号が東日本に近づいてきている。台風の中心が接近する前から関東では大雨になっており、午前中は伊豆諸島南部と千葉県で「線状降水帯」が発生した。台風は今夜、静岡県にかなり接近、上陸する可能性が高くなっているが、台風の中心よりも北東側で大雨になっており、関東で記録的な雨量となっている所がある。
 伊豆諸島や関東南部ではすでに大雨災害の危険度が急激に高まっている所があり、さらに台風の動きが遅いため、このあとも関東では大雨が長引くことが予想される。引き続き、土砂災害などに厳重な警戒が必要だ。

台風13号接近前から伊豆諸島や関東で記録的な大雨

台風13号の進路予想と8日(金)午前11時までの3時間雨量(ウェザーマップ)

 台風は午前9時には静岡県御前崎市の南南西にあり、ゆっくりと北上している。今回は台風の中心よりも北東側にまとまった雨雲があり、伊豆諸島や関東南部で雨雲が発達している。午前中は伊豆諸島や千葉県で線状降水帯が発生し、三宅島では観測史上最大となる1時間に120ミリを超える猛烈な雨を観測。千葉県でも茂原市ではたった3時間で140ミリを超える雨が降り、3時間雨量としては過去最大の雨量となっている。

台風13号動き遅く 長引く大雨に警戒

8日(金)午前11時20分現在の土壌雨量指数と午後3時の雨の予想(ウェザーマップ)

 このあと雨雲は徐々に北へ移動していくが、台風の速度が遅いため、関東では長い時間、活発な雨雲がかかり続けるおそれがある。伊豆諸島の雨のピークは昼過ぎまでとなりそうだが、台風の進行方向の東側に位置する千葉県や茨城県では、長ければ夜まで活発な雨雲がかかり続ける見通し。すでにこれまでの大雨で地盤が緩んでいる所があるため、引き続き、土砂災害や河川の増水、氾濫、低地の浸水などに厳重な警戒が必要だ。
 また、広範囲ではないものの、伊豆諸島や沿岸部では瞬間的には30メートル以上の非常に強い風が吹く所があるため、強風やうねりを伴った高波にも注意が必要となる。

東北は夜から激しい雨

9日(土)午前3時の雨の予想(ウェザーマップ)

 台風13号は今後、衰えながら熱帯低気圧に変わりつつ北上していくが、夜には雨雲が東北にもかかってくる見込み。特に東北の太平洋側に活発な雨雲がかかりやすく、あす9日の午前中にかけて激しい雨や雷雨になる所がありそうだ。特に今夜のはじめ頃からあす9日の明け方にかけて、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒が必要だ。
(気象予報士・多胡安那)

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