東海オンエア・りょうが語るスポーツの価値。実際に会って強い印象を抱いた“意外”な選手とは?

サッカー&陸上経験者であり、イングランド・プレミアリーグのチェルシーファンとしても知られる人気動画クリエイター「東海オンエア」のりょう。彼はいつスポーツと出合い、観戦にハマり、スポーツにどのような価値を見出しているのか。その想いをひも解いていくと、たどり着いたのはスポーツとのとても心地のよい距離感だった。

(インタビュー=岩本義弘[REAL SPORTS編集長]、構成=REAL SPORTS編集部、写真提供=横浜ゴム株式会社)

「サッカー好きなんで」。半ば強制的にスタートしたサッカー部での日々

――まずは、りょうさんとサッカーの出会いについて聞かせてください。サッカーを始めたきっかけは?

りょう:全校生徒が130人ぐらいしかいない、すごく田舎の小学校に通っていたんですけど、運動部はサッカー部しかなくて、スポーツがやりたい男子は全員強制的にサッカー部という感じで(笑)。もうそもそも選択肢がなかったんで、サッカー部に入りました。小学生の時はサッカー部だけしかなくて、サッカー部に入ったんですけど、中学に上がったら今度はサッカー部だけなかったんですよ(笑)。僕のプレーするほうのサッカー人生は、そこであっという間に終わりましたね。

――ある意味やるのも、やめるのも強制的に(笑)。

りょう:そうですね(笑)。小学校の同級生はみんなそこで1回路頭に迷いました。中学に上がった時に「何やろう?」って。

――小学生の時はどんなプレーヤーだったのですか?

りょう:スタミナがあるほうだったのでウイングが多かったですね。あと背が高かったのでセンターバックもやったりはしました。

――ウイングを任されるということは、足も速かったんですね。

りょう:そうですね。走れるほうでした。

――サッカー部時代の思い出はありますか?

りょう:僕らの小学校はとにかく弱かったんで、試合には全然勝てなかったんですけど、最後の大会で「MVPだったな」と顧問の先生に言われたのが思い出としては残っています。

――学校の男子がみんなサッカー部だとけっこう強そうなイメージでした。

りょう:いや、人数が少ないし、クラブチームで本格的に練習してる子も全然いなかったんで弱かったです。でも純粋に楽しかったですね。サッカー好きなんで。

仲間との楽しい時間があったから続けられた陸上部時代

――中学からはどういうスポーツを?

りょう:当時、僕の中学が陸上部の長距離がすごく強かったんです。中学は何をしようかなと考えた時に、楽しいだろうし、いろいろ学べるかなと思い、強い部活のほうがいいかなと。それに僕も小学生の時はマラソン大会では1回も負けたことがなかったんで、「サッカー部がないなら中学からは陸上部やろうかな」という感じで陸上部に入りました。それが高校まで続きました。

――中学、高校と陸上部? 陸上っていくつか競技がありますよね?

りょう:中・高陸上部です。主に長距離や駅伝を走っていました。中学の時はメインは1500mか3000m、半々ぐらい。高校に入ってからは3000m障害と5000m、半々ぐらいでしたね。やっぱり駅伝で選手になりたいという思いが大きかったので、長めの距離の競技を頑張っていました。

――3000m障害の大会で優勝経験もあるとのことですが。

りょう:はい。県高校総体西三河選手権という地方の大会なんですけど。そんなこともありましたね。

――陸上も6年間楽しんでやっていたのですか?

りょう:顧問の先生も厳しい方だったので、特に高校時代はつらいと感じる時もありました。けど、陸上部には東海オンエアのメンバーが2人いたんです。そのメンバーとずっと一緒にいて、仲間との楽しい時間があったからやっていけたのかなと思います。

――厳しい部活動で過ごした6年間は、りょうさんの現在の人格形成にも役立っている実感はありますか?

りょう:間違いなく役立っていると思います。なにより我慢強くなりました。理不尽なこともけっこう多かったので、社会ってそういうもんだよなと部活動で学んだ気がしますね。

――ちなみにスポーツ選手を目指すという選択肢はまったくなかったですか?

りょう:なかったですね。スポーツ選手を本気で目指せるような才能がなかったです。純粋に学生スポーツとして12年間真剣にやっていました。

――りょうさんにとって、スポーツの持つ価値とは?

りょう:スポーツの価値……。今現在でいえば「最高の気晴らし」です。人生でいうと「あらゆる面で成長できるコンテンツ」だなと感じますね。

――最近はどんなスポーツをやっているのですか?

りょう:最近は、ランニングぐらいです。あとは東海オンエアのYouTubeチャンネルの企画でその都度いろんなスポーツを浅く広く楽しんでやっています。スポーツとは、娯楽と健康のためにずっと関わっていきたいですね。やるほうも見るほうも。

「“そこ”からはチェルシーの試合はずっと欠かさず見ています」

――見る側のサッカーについても聞かせてください。チェルシーファンとして知られているりょうさんですが、サッカー観戦にはまったきっかけは?

りょう:サッカー自体は2006年の(FIFA)ワールドカップ・ドイツ大会あたりからよく見ていました。本格的にヨーロッパのサッカーにハマったのは、2007-08シーズンのUEFAチャンピオンズリーグの準決勝です。チェルシーの(フランク・)ランパード選手が母親を亡くしてしまって傷心している中、試合に出場して、リヴァプールを倒した試合から、「うわ、チェルシーカッコいいな」という感じで応援し始めて、モスクワでの決勝で(ジョン・)テリー選手がPKを外した時に「このチームの勝つところが見たい」と思ったのがきっかけです。そこからはチェルシーの試合はずっと欠かさず見ています。

――準決勝でのリヴァプールとの試合の時点では、まだチェルシーファンではなかったわけですね。

りょう:そうです。だから初めてチェルシーを応援した試合は、(マンチェスター・)ユナイテッドとの決勝戦ですね。

――実際にチェルシーの試合は欠かさず見るぐらいのファンになって、サッカーの楽しみ方は変わりましたか?

りょう:1つのクラブを毎試合追うことによって、インタビューなどの記事を目にすることが多くなりましたし、選手一人ひとりについて知ることで、より楽しめるようになりました。

――1つのクラブを深く追いかけると、他のクラブについても詳しくなりますよね。

りょう:そうですね。自然とライバルチームなんかは意識するようになりますね。

「うわ、ポドルスキ選手がちょっかいかけてくる!」

――東海オンエアさんのYouTubeチャンネルで2年前に公開された「りょう、ドログバに会う。」(憧れのドログバに会い、ユニフォームにサインをもらう回)は見ているこちらも感動する動画でした。

りょう:あれは僕がYouTubeやSNSなどいろんなところで、「チェルシーが好きだ」「(ディディエ・)ドログバ選手が好きだ」「ランパード選手が好きだ」と何度も発信していてつながったご縁です。大きかったのは、東海オンエアのメインチャンネルの企画で、好きな人に手紙を読むという企画があって。僕はその企画でドログバさんに手紙を読んだんですよ。そういうこともあって、チェルシーのスポンサードをしていた横浜ゴムさんの目に留まって声をかけていただいて、そういう機会をいただけました。

――実際にドログバに会いに行く時はどんな気持ちでした?

りょう:「いるんだ」っていう感じですね(笑)。あまりにもずっとテレビの向こう側にいるヒーローでしかなかったので。もちろん住んでいる国も違うわけですし。本当にいるんだなっていうのが最初の印象です。不思議な感覚でした。

――実際会った印象は?

りょう:紳士的で優しい方だなという印象がありました。手紙を渡したんですけど、快く受け取っていただけてすごくうれしかったですね。

――ランパードともお仕事でお会いされたんですよね?

りょう:すごく緊張していて自分からは近づけなかったんですけど、ランパードさんのほうから近づいてきてくれて、彼もすごく優しかったですね。

――ちなみにその時にサインをもらったユニフォームは今はどうされているのですか?

りょう:今は額縁に入れて家に飾ってあります。寝室のベッドの横にドログバさんのサインがあって、玄関にランパードさんのサインを飾っています。あと元プロサッカー選手の那須大亮さんのYouTubeチャンネルの企画で(ルーカス・)ポドルスキ選手とフットサルをしたことがあって、ポドルスキ選手からいただいたサインも飾ってあります。その時のポドルスキ選手とのやりとりがすごく思い出に残っていて。

――ポドルスキは一緒にボールも蹴っているから、より強い印象として残っているわけですね。

りょう:楽しくボールを蹴る場だったからこそなのかもしれないですけど、ポドルスキ選手はより社交的でした。僕はチェルシーのユニフォームを着てプレーしてたんですけど、相手チームにいたポドルスキ選手が、わざとらしくユニフォームを引っ張ったり、ちょっかいをかけてきてくれたんです。やっぱり彼は(チェルシーとライバル関係にある)アーセナルでプレーした選手じゃないですか(笑)。なんか楽しくつっかかってきてくれて、めちゃくちゃそれがうれしかったですね。「うわ、ポドルスキ選手がちょっかいかけてくる!」って。あとは左足のシュートが容赦なくて、強烈でした。間近で見るとやばかったですね。

――現在、REAL SPORTSとHATTRICKの連動企画でチャリティーオークションを行っていて、『キャプテン翼』の高橋陽一先生も賛同してくれています。キャプテン翼とコラボしているスニーカーに片足ずつ翼くんと若林くんの絵を描いた商品を出品いただきます。

りょう:いや、もうたまらないですね。キャプテン翼の人気は日本だけじゃなく、世界中のそれこそトップ選手が憧れを持つぐらいですからね。高橋先生とは2018-19シーズンの(UEFA)チャンピオンズリーグ決勝の会場でお会いしました。静かで聡明な方だなという印象ですね。こちらがあれこれ質問しても何でも答えてくださって。キャプテン翼はサッカー好きからしたら、絶対に価値がある、憧れの対象ですね。

<了>

“アスリートとスポーツの可能性を最大化する”というビジョンを掲げるデュアルキャリア株式会社が運営する「HTTRICK(ハットトリック)」と、アスリートの“リアル”を伝えることを使命としたメディア「REAL SPORTS(リアルスポーツ)」との連動企画として、【REAL SPORTS × HATTRICK チャリティーオークション】を開催。

PPROFILE
りょう
1993年生まれ、愛知県出身。愛知県岡崎市を拠点に活動する6人組YouTubeクリエイター「東海オンエア」のメンバー。大学卒業後、3年間はYouTuberとしての活動と会社員を兼業。2020年7月にはカフェ「R COFFEE STAND」をオープンするなど幅広い活動を行っている。YouTuber界きってのサッカー好きとしても知られ、東海オンエアや自身のYouTubeチャンネルでも度々サッカー愛を語っている。

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