
中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題で、損害保険ジャパンの白川儀一社長(53)は8日、東京都内で記者会見し引責辞任を発表した。不正の可能性を認識しながら、取締役会での議論を経ずにビッグモーターとの取引再開を決めたことを明らかにした。「反発を恐れ、厳正な対応ができていなかった」と述べ、経営判断を誤った背景に両社の癒着があることを認めた。
事故車両を故意に傷つけ修理代を水増しする不正に端を発した問題は、損保大手のトップが表舞台から追われる事態に発展した。白川氏の辞任時期や後任は今後決める。
会見に同席した親会社SOMPOホールディングス(HD)の桜田謙悟会長兼グループ最高経営責任者(CEO)は「私にも何らかの責任はある」としつつ、外部弁護士の調査委員会による客観的事実を踏まえて明確にする意向を示した。
監督官庁の金融庁は今月中旬に損保ジャパンとビッグモーターへの立ち入り検査を開始。不正の温床とされる両社の癒着の実態にメスを入れる。
