米とEU、対中で鉄鋼関税検討 10月にも合意か、米通信が報道

中国・上海の製鉄所=2005年2月(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】米ブルームバーグ通信は7日、米国と欧州連合(EU)が、中国を念頭に、過剰生産された鉄鋼への新たな関税の導入を検討していると報じた。中国以外の対象国や関税の水準などは協議中だが、米EU首脳会談を予定している10月にも合意する可能性があるという。

 新たな関税への中国の反発は必至で、導入すれば米中間の新たな火種となりそうだ。バイデン政権が模索する米中首脳会談の開催に影響する恐れもある。

 鉄鋼を巡っては、過剰生産された安価な中国製に押され、日米欧などの鉄鋼業界が打撃を受けた。トランプ前米政権は2018年、安全保障上の脅威を名目に、中国だけでなく、日本やEUなどの鉄鋼にも25%の関税を課した。EUは21年、日本は22年に無関税の輸入枠を設定することで合意した。

 新たな関税は鉄鋼生産の脱炭素化を進める取り組みの一部で、米欧以外の国の参加も想定しているという。温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の排出量の削減手法など、関税以外の分野については合意まで時間がかかるとしている。

© 一般社団法人共同通信社