職場の障害者虐待656人 22年度、前年比30%増

厚生労働省

 厚生労働省は8日、2022年度に職場で上司や雇用主らによる虐待が認められた障害者は、前年度比30.7%増の延べ656人と発表した。新型コロナ禍からの経済回復で労働時間が増加する中、時間外労働の賃金不払いといった経済的虐待が増えたことが要因。

 虐待の種類別では、経済的虐待は600人で、前年度より180人増えた。暴言や差別の心理的虐待が47人、暴行などの身体的虐待が24人と続いた。1人につき複数の種類の虐待が認められた場合は、それぞれ別に計上している。

 具体的な被害では、地域の最低賃金を下回る額しか払われなかった例や、腕にガスバーナーを押し付けられてやけどを負った例があった。

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