性被害「独りで抱え込まないで」 ジャニー氏の性加害告白の歌手

ジャニーズ事務所が性加害の事実を認めたことを受け、記者会見する歌手のカウアン・オカモトさん=8日午後、東京都千代田区の日本外国特派員協会

 歌手のカウアン・オカモトさん(27)が、ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害を告白したことはジャニーズ事務所の扉をこじ開けただけでなく、社会が男性の性被害を認知する契機となった。8日の日本外国特派員協会(東京)の記者会見で、カウアンさんは「人生はいろんなことがある。独りで抱え込まないで」と呼びかけた。

 カウアンさんは4月の会見で性被害を証言。その後、同事務所の元所属タレントらが相次いで被害を公表した。

 告白後は「売名」などと心ない言葉に傷つけられることもあった。けれども「後悔はしていない。自分や大切な人にうそをつかなくなったことはとても大きな変化になった」と前向きに捉える。

 被害を公にして以降、見知らぬ人から性被害を打ち明けるメールが多数届く。現状は性被害に遭った子どもが相談しやすい環境ではないとし、敷居の低い相談窓口の設置や漫画などを通じた教育の必要性に言及。虐待の行為者の適用範囲を保護者に限る児童虐待防止法の改正も求めた。

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