損保業界、過去にも不祥事 不払いや保険料取り過ぎ

ビッグモーターの保険金不正請求問題で引責辞任を発表し、記者会見で謝罪する損害保険ジャパンの白川儀一社長(左から2人目)=8日午後、東京都新宿区

 中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求問題で揺れる損害保険業界では、過去にも保険金の不払いや、保険料の取り過ぎなどの不祥事があった。

 2005年2月には自動車保険の特約などで保険金の一部が支払われていないことが判明。損保26社の一斉調査で約84億円の支払い漏れや支払い不足が見つかった。金融庁は各社に業務改善を命令したが、その後も新たな不払いが発覚し、金額は約380億円に膨れ上がった。

 火災保険などの保険料を規定より多く徴収していた事例もあった。金融庁は06年12月、各社に調査を指示。火災保険料が割安となる耐火性の高い住宅も通常の木造住宅と同じ保険料を受け取っていた事例などが見つかり、保険料の取り過ぎは26社で総額371億円に上った。

 現在は企業向け保険で東京海上日動火災保険など大手4社にカルテル疑惑が生じている。金融庁は今年8月、4社に価格調整がなかったかどうか調べるよう命じた。

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