弁当調達、校内で炊飯も 給食停止に教員奔走

広島県三次市にある県立三次高で、弁当を受け取る藤岡大翔さん(右から2人目)=8日午前

 広島市の食堂運営会社「ホーユー」が学校給食などの提供を突然停止した問題は、各地に大きな影響を及ぼしている。生徒の食事を確保しようと、教員らが弁当調達に奔走したり、校内で炊飯したり…。同社の給与が滞りながら、子どもの体を気遣い調理を続けるスタッフもいる。施設側は「安心して食べられる環境に戻したい」と願う。

 8日昼、広島県三次市の県立三次高の食堂。男子生徒らがきんぴらごぼうや唐揚げの入った弁当を頬張った。1年生の藤岡大翔さん(16)は「おかずの種類が多くてうれしいが、ボリュームが足りない。早く元の給食に」とこぼした。同校では1日昼から藤岡さんら寮生への食事の提供が止まり、市内の仕出し業者に弁当を注文している。

 同県神石高原町の県立油木高は、近隣にコンビニやスーパーがなく、職員が車で出勤時に朝食を購入し、寮で暮らす生徒に届ける。昼食の弁当に配達料もかかり、藤井啓二教頭は「過疎地の学校は負担が大きい。手作りの食事を出せず、健康面も心配だ」と漏らした。

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