台風が最接近中なのに・・・なぜ雨が降らない?離れた場所で雨雲が発達した理由【気象予報士解説】

台風13号が東海地方に最も接近していた9月8日夜の時間帯、静岡県で雨が降っておらず、関東地方で大雨となったのはなぜなのか。田中健太郎気象予報士が解説します。

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<田中健太郎気象予報士>
台風13号は8日午後3時現在、静岡県のすぐ南海上に近づいています。ただ、今回の台風の特徴は「中心付近に雨雲がない」ということです。静岡県内にはほとんど雨雲がかかっていません。一方、中心付近から離れた所で活発な雨雲が発生しています。

静岡県内では2022年9月、台風15号による記録的な大雨が降りました。同じ様な場所まで台風が迫っていたのに今回の台風と大きく違うのはなぜか。それは風がぶつかっていた場所です。

2022年9月23日夜9時の天気図を見ると熱帯由来の非常に湿った空気が静岡県に流れ込んでいました。さらに北にある高気圧の縁をまわるようにして湿った空気が流れ込み、静岡県でぶつかっていました。これが大雨となった理由でした。

一方、2023年9月8日の天気図を見ると、台風からは非常に湿った空気が流れ込んでいましたが、今回は北にある高気圧から回ってくる風が千葉県あたりでぶつかっていました。このため、静岡県から活発な雨雲がずれ、関東地方で記録的な大雨になったのです。

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