<金口木舌>構造的な欠陥

 「今年も墜落事故を起こしており、まさに構造的な欠陥機と言わざるを得ない」。2012年9月9日の「オスプレイ配備に反対する県民大会」。当時の喜納昌春県議会議長の言葉は党派を超えた参加者の共通理解だった

▼12年10月、米軍普天間飛行場に配備されたオスプレイ。普天間所属機は16年に名護市安部、17年に豪州で墜落した。オスプレイの事故はその後も国内外で相次ぐ

▼米側は対策を示したが、対症療法に過ぎず、根本的な問題には触れなかった。日本政府も米側主張を丸のみ。配備撤回や飛行停止を求める沖縄の声はかき消された

▼少しだけ期待した。7月、米海兵隊が米カリフォルニア州で22年6月に起きた墜落事故の調査結果をまとめ、クラッチ不良という機体の構造的欠陥を認めた。事態が動くと思いきや普天間所属機に関して日米両政府は?かむり

▼県民大会から11年。米軍のオスプレイは飛び続け、10月には陸自のオスプレイが沖縄への飛来を計画する。これでは負担軽減に逆行する。構造的欠陥は機体だけではないらしい。

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