5戦連続完封勝利の堅守ポルトガル、ブルーノ弾守り抜きスロバキアとの首位攻防戦制す【ユーロ2024予選】

[写真:Getty Images]

ユーロ2024予選のグループJ第5節、スロバキア代表vsポルトガル代表が8日に行われ、アウェイのポルトガルが0-1で勝利した。

ここまで4戦全勝に加え、14得点無失点と圧倒的な強さが光るポルトガル。5連勝での首位固めを狙う一戦では、3勝1分けで2位に付けるグループ最大のライバルと対戦した。

マルティネス監督は敵地での大一番に向けてクリスティアーノ・ロナウドを始め、ルベン・ディアス、ブルーノ・フェルナンデス、レオン、ベルナルド・シウバと現状のベストメンバーを起用した。

シュクリニアル、ロボツカらを擁するものの、タレントの質で大きく勝るポルトガル優勢の入りが予想されたが、序盤にペースを握ったのはホームのスロバキア。

コンパクトな守備陣形でポルトガルの攻撃を自陣で引っかけると、3トップの機動力を使ったシンプルなカウンターで幾度か引っくり返す場面を作り出す。そして、ポリエウカら前線の選手に加え、中盤のクツカもフィニッシュに絡んでいった。

一方、序盤の守勢を凌いだポルトガルはビルドアップでうまく嵌められる場面が多く、自慢の前線になかなか良い形でボールが入らない。それでも、15分過ぎにはボックス右に持ち込んだロナウドがこの試合最初のシュートを放つと、直後にはそのエースのお膳立てからボックス中央のB・フェルナンデスに決定機が訪れるが、もたついた末に放ったシュートはGKに難なく処理される。

この続けての決定機をきっかけに流れを引き寄せたいポルトガルだが、以降もプレー強度と集中力の高さが際立つスロバキアに苦戦。イーブンあるいはやや劣勢の展開を強いられる。

前半終盤にかけても膠着状態が続いたが、両者の決定力の差が明暗を分かつ。まずは42分、カウンターから右サイド深くのペカリークが丁寧なグラウンダーのパスをボックス中央のハラスリンに通すが、ハラスリンの右足シュートは惜しくも右ポストの外側を掠めた。

すると、直後の43分にはポルトガルがベルナルド・シウバを起点に右サイドを攻略すると、右のハーフスペースで縦に運んだB・フェルナンデスがボックス右角度のないところから正確な右足の対角シュートをゴール左下隅に流し込み、アウェイチームが先制に成功した。

1点リードに加えて、ハーフタイムの修正によって一気に流れを掴みたいポルトガルだったが、後半も粘るスロバキアに苦戦。立ち上がりから一進一退の攻防が続く中、ボックス内に抜け出したシュランツに決定機を許す場面も。

選手交代で流れを変えたいマルティネス監督は60分過ぎに3枚替えを敢行。カンセロとレオン、ヴィティーニャを下げてセメド、ペドロ・ネト、オタビオとタイプが異なる選手をピッチに送り出す。

この交代で流れを変えるまでには至らずも、よりオープンな展開の中でエースのロナウドに幾度か試合を決めるチャンスが訪れる。しかし、この日はフィニッシュの局面で冷静さ、精度を欠くポルトガルの背番号7はシュートをことごとく枠外に外し、アウェイサポーター以上にフラストレーションを募らした。

その後、試合は逃げ切りを意識しつつカウンターを狙うポルトガル、リスクを冒して前に出るスロバキアという構図の下で最後まで拮抗した攻防が繰り広げられる。だが、セットプレーの守備を含め最後まで集中した守備を見せたポルトガルがホームチームの反撃を凌ぎ切って敵地で0-1の勝利を収めた。

この結果、5試合連続クリーンシート達成で5連勝のポルトガルがグループ首位をキープ。一方、善戦したものの今予選初黒星のスロバキアは、今節勝利したルクセンブルク代表に勝ち点10で並ばれる形となった。

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