ONSEN・ガストロノミーツーリズムの成果と可能性

ONSEN・ガストロノミーツーウォーキングはハイエンドな旅館から大衆的な宿、そして飲食店、造り酒屋等、温泉地が一致して取り組める。また、実施にあたっては、必ず地元に実行委員会を組織していただいている。その生成から実施に至る過程の中で、地元の良さはどこか何を見せたいか等について喧々諤々の議論が行われる。こうした中で地域の一体感が醸成される。実施当日には、地元の高校生の皆様等にボランティアをお願いするが、参加者からは、こうした地元の皆様との触れ合いに好感がしめされている。地域一体となったホスピタリティが参加者の心をつかみ、リピーターが増えていく。

ONSEN・ガストロノミーウォーキング実施により、地域の皆様が自身の魅力を再発見し、地域のブランド力の向上につながって行く。そんなプラスの循環ができつつある。

年間100回の実施へ

今後は、ONSEN・ガストロノミーツーリズムの一層のブランド向上を目指す。ONSEN・JAPANを世界にアピールするためにも、毎週末必ずどこかで実施したい。まずは年間50回以上将来的には、100回の実施である。

国際交流も活発化させて行きたい。2020年2月には、台湾の観光協会と提携し、台中でONSEN・ガストロノミーウオーキングを開催、日本からの参加者との交流を行った。地元の、食、酒を楽しみながらウォーキングを通じて、国際的な交流が図られていく。

予想もしない発展に

ウオーキングイベントの前後には、温泉地の旅館などで歴史、文化、食、酒等を学ぶ、交流会を実施し、会員同士の意見交換から、ダイナミックな自律的な発展が生まれる。温泉というコンテンツに皆が集い、国際交流が行われ、企画が集い、コラボレーションのプラットフォームになり、予想もしなかった発展が生まれる。まさに温泉の持つ不思議な力といえる。

寄稿者 小川正人(おがわ・まさと) (一社)ONSEN・ガストロノミーツーリズム推進機構理事長

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