リュ・スンリョン「韓国人とチキンは切っても切れない関係(笑)」話題沸騰! ディズニープラス『ムービング』緊急インタビュー

『ムービング』© 2023 Disney and its related entities

ディズニープラスの「スター」で独占配信中の韓国サイキックドラマ『ムービング』。人類の常識を超えたド迫力アクション、善も悪も個性的なキャラクター、世代や立場を超えたエモーショナルな人間ドラマで世界中の視聴者の心を掴んだ本作は、配信開始から7日間(視聴時間ベース)で、世界ではディズニープラス、米国ではHuluで最も視聴された韓国オリジナル作品となったことでも話題を呼んでいる。

飛行能力に超感覚、高速移動や怪力など様々な特殊能力を持つ人々が、それぞれの大事なものを守るべく巨大な陰謀と対峙する……全20話の『ムービング』は現在15話まで配信され、残すところあと5話。まさに佳境に入ったこのタイミングで主要キャラクターの一人、超再生能力を持つ“怪物”ことチャン・ジュウォンを演じるリュ・スンリョンがインタビューに応えてくれた。

「韓国には教会と同じくらいチキン屋があります(笑)」

代表作の一つ『エクストリーム・ジョブ』(2019年)では、捜査のためにフライドチキン屋を偽装営業する刑事役で爆笑させてくれた“ヒョンニム(兄貴)”ことリュ・スンリョン。なんと『ムービング』で演じるジュウォンも新たにチキン屋を営むという設定なのだが、韓国では個人経営が珍しくない職業なのだろうか?

『エクストリーム・ジョブ』との繋がりはないのですが、『ムービング』では90年代の描写で教会の十字架などがいくつも映っていると思います。韓国には教会が多いのですが、同じくらいチキン屋があると言われていて(笑)、それほどまでに韓国人とチキンとは切っても切れない関係なんです。すごくチキンが好きだし、とくにスポーツを観戦するときや、それこそ『ムービング』をご覧になっている皆さんもチキンを召し上がっているんじゃないかなと思います(笑)。

若かりし頃のジュウォンを描くパートは90年代で、当時の韓国文化の描写も私たちにはとても新鮮に映る。おそらくCGも使用しているであろう『ムービング』でのレトロ描写は、スンリョン氏の記憶にある90年代韓国と比較しても、忠実に再現されているのだろうか?

まったく違和感はなかったですね。当時はアナログからITへの転換期と言いますか、そういう時代だったので文化的にも豊かでしたし、(『ムービング』では)政治的、社会的にもよく表現されていると思いました。

「“ヒーローもの”への出演は、おそらく『ムービング』が最後になるでしょう」

スンリョン氏は過去にも超能力者を演じているが、『ムービング』はウェブトゥーン原作ということもあり、役作りも比較的やりやすかっただろう。しかし、「再生能力はあるが痛みは感じる」という人物像にリアリティを持たせるために、演技面でどのような意識、または努力をしたのだろうか?

人間が“痛み”を全く感じなかったら、それほど恐ろしいことはないでしょう。ジュウォンが痛みを感じることによって人間味を表現できますし、作品を観る方々からも応援していただける、そういう“ツール”にもなったと思います。

ただ、彼の場合は“心”までは再生できないようで、なかなか癒やされない人物です(笑)。後々まで心に傷が残ってしまうような、そういった“弱さ”も作品の面白みにつながっているんじゃないかなと思います。

韓国のウェブトゥーン原作映画は、ハリウッドのMCUやDC映画のように、ますます規模が大きくなる可能性を秘めていると言えるだろう。もしスンリョン氏が再び“スーパーヒーローもの”に出演することになったら、善と悪、どちらの役に興味があるのか聞いてみた。

“ヒーローもの”への出演は、おそらく『ムービング』が最後になるんじゃないかなと思います(!)。もし本作が沢山の方々に愛されて「シーズン2」が製作されたら、私にとっての次のヒーローものは『ムービング』になるでしょう。もちろん同じジュウォン役でね。

『神弓 -KAMIYUMI-』(2011年)の大谷亮平など、日本人俳優とも共演してきたスンリョン氏。ディズニープラスの『コネクト』など日韓合作プロジェクトも増えてきているが、日本の作品にも興味はあるだろうか?

私は作品を選ぶときに、シナリオを一番に重視します。なのでシナリオを拝見して、私の心が“ムービング”する作品があれば、出ない理由はありません!

『ムービング』はディズニープラス スターで独占配信中(全 20 話/初回 7 話まで一挙配信、8話以降は毎週水曜 2 話ずつ配信、最終週は 3 話配信)

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