豚熱ワクチン接種計画を国に提出 長崎県 9月内開始目指す

 佐賀県唐津市の二つの養豚場で豚熱(CSF)感染が確認されたのを受け、長崎県は8日、まん延防止のためのワクチン接種計画を農林水産省に提出した。承認されれば月内の接種開始を目指す。
 同省が5日、両県を含む九州7県を接種対象の推奨地域に指定していた。
 長崎県内では約20万頭の豚が飼育されている。計画によると、県の獣医師約50人が40日間かけて全頭に接種する。併せて、一般の獣医師の研修や養豚農家への講習を通じて、打ち手を増やしていく。
 計画が承認され次第、県はワクチンを購入。国が半額を補助し、事業者は手数料を負担する。併せて、野良猫や野生ネズミによる感染拡大防止策として、石灰6500袋(1袋の重さ20キロ)を県内全93戸に配布する。
 県によると、さらに、県内で年間約32万頭の豚が生まれる。国際ルール上、野生イノシシを含め国内にCSFウイルスが存在しないと確認されるまで、子豚にも接種し続ける必要があり、打ち手の安定確保など長期的な対応が求められる。
 県内で養豚業を営む経営者の一人は「遅かれ早かれ九州のどこかで発生すると思っていた。日ごろの殺菌・消毒が大事になる」と警戒を続け、早期の接種開始を県に求めている。

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