<高校ラグビー>埼玉大会、あす10日開幕 決勝11月18日 “負けなし”川越東など予想される試合展開は

得意のキックとパスで攻撃をけん引する川越東のSO五十嵐

 ラグビーの第103回全国高校埼玉大会(埼玉新聞社など後援)は10日、36チームが参加して開幕。1回戦8試合を行い、熱戦の火ぶたが切られる。大会は全試合有観客で実施。決勝は11月18日、熊谷ラグビー場Aグラウンドで行い、優勝校が全国高校大会(12月27日~来年1月7日・花園ラグビー場)に出場する。

 優勝候補の筆頭は、今季の公式戦で県内負けなしのAシード川越東。同じくAシードの昌平、慶応志木、深谷やBシード熊谷などが後を追う展開が予想される。

 前回大会決勝の先発メンバー8人が残る川越東は、展開ラグビーによるアタック力が健在。CTB稲葉、WTB石本らの俊足を武器に得点を重ねたい。堅守を支えるプロップ寺山、フランカー高尾や、機動力の高い司令塔のSO五十嵐からも目が離せない。

 4連覇に挑戦する昌平は、夏場に鍛えたフィジカルとチームの結束力をどこまで発揮できるか。精神的支柱のFB横山、重さのあるプロップ岡本や突破力を備えるフランカー増田ら3年が強みを示し、フランカー伊藤を要とする堅守で流れをつかみたい。

 虎視眈々(たんたん)と頂点を狙う慶応志木は、身長186センチのロック杉本がけがから復帰したことでセットプレーに高さが生まれた。プロップ成川ら平均身長178センチ、体重90キロの強力FW陣がモールで押し込み、最後はFB加藤旭らで決め切るのが理想の形だ。

 深谷は人一倍体を張れるロック馬場とボールキャリーに長けるフッカー新井靖を中心に、縦への推進力を生み出せるかが鍵を握る。接点で上回れば、CTB飯塚のキックを起点に攻撃の幅が広がるだろう。

 国体予選少年の部(高校)県予選を制し連係が光る熊谷は、SH中野のキックパスやナンバー8ルナの機敏なステップからなる決定力に注目。県高校新人大会3位の新興勢力・本庄第一や、粘り強さが身上の浦和、熊谷工など古豪の追い上げにも期待が懸かる。

 ノーシード勢では、8月の日中韓交流競技会でU-17(17歳以下)日本代表に選出された身長194センチの大型FW小菅を擁する鷲宮、2008年以来15年ぶりに単独出場する熊谷農も楽しみな存在だ。

強度の高いタックルで守備の要となる昌平のフランカー伊藤

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