3万年前のやり先出土、島根 黒曜石製、狩猟用か

松江市内の遺跡から出土した旧石器時代のやり先

 島根県教育庁は9日までに、松江市大庭町の遺跡から約3万年前の旧石器時代に使われたやり先が出土したと発表した。同庁によると、黒曜石製で、狩猟用と考えられる。

 やり先は長さ約3.8センチ、幅約1.9センチ。「団原3遺跡」の地下約2メートルで7月に見つけた。動物を刺した際に付いたとみられる跡が残っていた。年代はやり先の形状から推測したが、地層の火山灰を分析するなどして具体的な時期の解明を今後目指す。

 同庁埋蔵文化財調査センターの伊藤智調査第2課主幹は「遺跡は見晴らしが良い台地にあり、シカなど獲物を見つけやすい場所だったと推測できる。当時の生活の様子を示す貴重な史料だ」と話した。

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