モロッコ地震、死者1000人超 山間部で被害、捜索難航も

9日、モロッコ中部マラケシュ近郊で地震被災者の捜索に当たる人たち(ロイター=共同)

 【カイロ共同】北アフリカ・モロッコ中部で8日深夜(日本時間9日朝)に発生したマグニチュード(M)6.8の地震で、内務省は9日、死者が1037人、負傷者が1204人になったと発表した。震源地は山間部で被害の全容は分かっておらず、犠牲者はさらに増える可能性がある。

 発生から一夜明けた9日、地元当局や治安部隊が動員され、本格的な救助、捜索活動が始まった。多数の負傷者が病院に搬送され、当局は献血を呼びかけた。

 内務省によると、最大の犠牲者が出たのはアトラス山脈に位置する震源地の中部アルハウズ県。捜索活動は難航する恐れがある。

 国営マグレブ・アラブ通信(MAP)は9日、国王モハメド6世が軍に対し、陸路と空路で人道支援を実施するよう命じたと伝えた。

 人的被害や建物の倒壊は広範囲にわたっている。旧市街が世界遺産に登録され、観光地として人気のマラケシュでも死者が出たほか、旧市街のモスクの塔が崩れた。

 外務省海外邦人安全課は9日夜、日本人に被害が出たという情報はこれまでに入っていないと明らかにした。

地震が起きた後のモロッコ・マラケシュ市内で、屋外に避難する人たち=9日未明(地元住民提供・共同)
がれきが散乱するモロッコ中部マラケシュの様子=9日(Al Oula TV提供・ロイター=共同)

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