NHK朝ドラのモデルで話題、植物学者・牧野富太郎ゆかりの植物展 姫路・手柄山温室植物園

牧野富太郎ゆかりの植物が並ぶ会場=手柄山温室植物園

 NHK連続テレビ小説「らんまん」主人公のモデルとなった植物学者・牧野富太郎(1862~1957年)ゆかりの植物を紹介する展覧会が9日、兵庫県姫路市の手柄山温室植物園で始まった。牧野が命名した花や山野草を中心に約120点を展示している。24日まで。

 牧野は現在の高知県出身。独学で植物学を学び、「日本植物学の父」と呼ばれた。何度も播磨地域を訪れ、たつの市の博物学者・大上宇市とも交流があった。「幻の木」と呼ばれたコヤスノキを大上が発見し、牧野が新種として登録した。

 会場には、牧野が世界的に知られるきっかけとなった水生植物「ムジナモ」の実物を展示。そのスケッチも添えた。妻の寿衛の名前に由来する「スエコザサ」、同県高砂市に自生する「トサオトギリ」なども並ぶ。

 県花のノジギクは牧野が命名した。通常は11月中に開花するが、同園は日光の当たる時間を調整し、早くもつぼみが膨らみ始めている。期間中に開花する可能性もあるという。

 山野草栽培が趣味という神戸市東灘区の女性(70)は「ムジナモの絵は繊細なタッチで素晴らしかった。牧野さんと兵庫県との関わりも知ることができて良かった」と話した。

 午前9時~午後5時(入園は同4時半まで)。期間中15、22日は休園。高校生以上210円、中学生以下100円。同園TEL079.296.4300 (辰巳直之)

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