“31分の遅延”で「持ちこたえた」 神谷そらは史上6人目の初出場Vへ

史上6人目の大会初出場初優勝へ(撮影/中野義昌)

◇国内女子メジャー◇日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯 3日目(9日)◇パサージュ琴海アイランドGC(長崎)◇6755yd(パー72)◇晴れ(観衆2882人)

今夏の全国的な酷暑はパサージュ琴海アイランドGCに深刻なダメージを与えた。グリーンは芝が焼け、生えそろわず、下の砂地が露出する場所がある。この日のグリーンの速さを示すスティンプメーターは10.5フィート、硬さを示すコンパクションは20.5ミリで、通常の大会より遅めでソフト。ところが、パットは想像以上に切れたり、切れなかったり、ショットも思うようなスピンがきかない。数値と見た目、実際のボールの動きのギャップに選手が苦しんだ。

グリーンでは不規則なボールの回転に苦しんだ(撮影/中野義昌)

小祝さくら、西郷真央と最終組を回った神谷そらも「スライス(ライン)なのに、フックして外れたりしたのもあった」と不規則なボールの転がりに手を焼いた。「次は頑張ろうっていうふうに切り替えた」と常に前向きなプレーを心がけたという。

「風がなくて、すごく暑い一日だった」と予選2日間より風が弱まったことが、スムーズなプレーにつながるより、逆により暑く感じることに…。「頭が痛くなった」とこぼした。

ムービングデーは「70」(撮影/中野義昌)

ツアーには、各ホールに要する時間を計算し、18ホールを回り終える目安の時間(タイムテーブル)がある。今週はホール間の移動距離も長い上、海風と難度の高いグリーンで全体的に時間がかかり、この日の最終組は目安を31分超過した。しかし、これが神谷には幸いしたようだ。「(前の組が)詰まってくれたお陰で日陰で休めて、なんとか持ちこたえられた」と振り返った。

3日目のムービングデーを4バーディ、2ボギーの「70」で回り、通算8アンダー。首位の小祝と2打差で迎える最終日は、前年大会の川崎春花に続く史上6人目の大会初出場初優勝がかかる。「そこまで意識とかはない。やることはいつもと一緒」と冷静に話した。(長崎市/内山孝志朗)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン