名古屋鉄道<9048>、傘下の名鉄運輸を日本通運の「特積み」事業と統合へ

名古屋鉄道は9日、物流子会社の名鉄運輸とNIPPON EXPRESSホールディングス傘下の日本通運の特別積み合わせ貨物運送(特積み)事業、日本通運子会社のNXトランスポート(東京都千代田区。売上高450億円、営業利益4200万円、純資産50億円)を統合すると発表した。不特定多数の荷主の貨物を1台の車両にまとめて積載して輸送する特積み事業を拡大・強化する。名鉄運輸と日本通運は2015年に資本業務提携し、特積み分野で集配の共同化や拠点の相互利用を進めてきたが、事業統合へ発展させる。

計画によると、名鉄運輸は2024年4月にNXトランスポートを傘下に収め、続いて25年1月に日本通運の特積み事業を承継する。事業取得の対価は名鉄運輸の普通株式とするが、一連の統合後も名古屋鉄道が名鉄運輸の株式50%超を保有する方針としており、具体的な内容や方式は2023年12月~24年1月をめどとする最終契約締結までに決める。

名鉄運輸と日本通運は2015年に資本業務提携し、翌16年に日本通運が名鉄運輸の株式20%を取得した。

物流業界をめぐっては人口減少や産業構造の変化などの影響を受け、国内総貨物量は減少することが予想され、特積み事業でも総貨物量の増加が期待できない状況にある。こうした中、名鉄運輸と日本通運は今年に入り、資本業務提携の強化に向けて協議を進めていた。

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