【台風13号】大雨 北茨城1人死亡 茨城県内140棟超浸水 常磐道、通行止め【更新】

崩れた土砂や流し出された大型車両が残る県道日立山方線で作業する自衛隊員=9日午前10時50分、日立市宮田町

熱帯低気圧に変わった台風13号に伴う8~9日の大雨で茨城県は9日、県内11市町村で住宅や病院など140棟超の浸水被害が確認されたと発表した。日立市では土砂崩れのため、常磐道の下り線が通行止めとなっているほか、一部地域で停電が続く。北茨城市では川で20代とみられる男性1人が心肺停止の状態で見つかり、死亡が確認された。

水戸地方気象台によると、線状降水帯などの影響で、降り始めからの総雨量は日立で282.5ミリと観測開始以来、最多を記録。鹿嶋で281.0ミリ、鉾田で272.5ミリ、北茨城で232ミリなど、過去最大規模の大雨が降った。

県によると、9日午前10時ごろ、北茨城市中郷町日棚の川で、20代とみられる男性が心肺停止状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。近くの水田で8日夜、自動車が見つかり、付近を捜索していた。

住宅被害は9日午後6時現在、床上・床下浸水が9市町村で72棟。土砂崩れは7市町157カ所。北茨城市が142カ所を占めた。

避難所は一時、30市町村で174カ所開設。9日午後6時現在、3市町村で開設、2人が避難している。高萩市の関根川では、同市上手綱地区など数カ所で越水を確認した。

県は8日午後10時に災害対策本部を設置。特に被害が甚大な日立、高萩、北茨城の3市に災害救助法を適用。日立市の土砂崩れに伴い、陸上自衛隊に災害派遣を要請した。

高速道は日立南太田-日立北インターチェンジ(IC)間のトンネル2カ所の出入り口付近でのり面が崩れ、上下線で通行止めとなった。上り線は9日午後に再開したが、下り線は通行止めが続いている。ネクスコ東日本によると、復旧は10日以降の見込み。

停電は6市で3450件発生。日立市の50件は宮田地区の土砂崩れの影響で復旧の見通しが立ってない。

JR常磐線は9日、勝田駅から下り方面の特急列車の運行を終日見合わせた。普通列車は高萩駅から上り方面の運行を段階的に再開した。

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