羽咋市、県平均上回る 全教科で5%以上 全国学力テスト・県内概要

  ●宝達志水町は3教科 中能登地区高く

 石川県教委は、4月に行われた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の県内の結果概要をまとめた。19市町別の平均正答率と県平均との差では、羽咋市が全5教科、宝達志水町が3教科でそれぞれ5%以上高く、全国トップクラスだった石川の成績の中で際立った。地区別では中能登地区で好成績が目立った。県教委は結果の概要をまとめた冊子を市町教委、各学校に配布し、課題克服に活用してもらう。

 全国学力テストは小学6年の国語、算数、中学3年の国語、数学、英語の5教科で4月に実施し、7月に文部科学省が都道府県別の結果を公表した。

 石川の平均正答率は小6の国語72%、算数67%、中3の国語73%、数学56%、英語49%で、小6国語・算数、中3数学の3教科で全国1位だった。中3国語は2位、同英語は4位と上位だった。

 県教委は、市町別の正答率を県平均と比較し、プラス5%以上を「上回る」、プラス2~5%を「やや上回る」、プラスマイナス2%未満を「同程度」、マイナス2%~マイナス5%を「やや下回る」、5%以上マイナスを「下回る」と5段階に分類した。

 羽咋市は全5教科が県平均と比べて5%超のプラスで、全教科で「上回る」となったのは5回連続となった。宝達志水町は小6国語・算数、中3英語の3教科で「上回る」となり、残る中3国語は「やや上回る」、同数学は「同程度」だった。

  ●北國新聞を授業に活用

 羽咋市は児童生徒の「考える力」の育成に取り組んでいる。積極的に教育のデジタル化を進め、北國新聞の電子版を取り入れた授業や、習熟度に合わせて問題を出題する「AIドリル」などを活用。各小中校で学力向上プランを策定して授業改善を進めている。

 八島和彦教育長は新聞を活用する授業が定着しているとし「考える力を伸ばす取り組みやきめ細かな指導が結果に表れた」と話した。

  ●東大生招いて授業

 「教育立町」を掲げる宝達志水町では、中学生向けには現役東大生や有名学習塾の講師を招いた講座、小学生には地域おこし協力隊員が宿題を教える学習会を開いている。細江孝教育長は「さまざまな仕掛けと教員が進める授業改善の相乗効果が出ている」としている。

 県教委は市町別正答率を含む結果を冊子にまとめた。来年2月をめどに詳細な分析をまとめる。

 ★全国学力・学習状況調査 文部科学省が全国の小学6年、中学3年を対象に毎年実施している学力テスト。国語、算数(数学)のほか、3年に1度理科と英語も実施し、学習意欲や生活習慣などを尋ねる調査も行う。全国的な学力の把握と、学校での指導改善につなげるのが目的。2007年度に43年ぶりに始まり、11年度は東日本大震災、20年度は新型コロナの影響で中止した。

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