斑鳩の舟塚古墳 石室を間近で 現地説明会に多くの歴史ファン集まる

舟塚古墳の発掘調査現地説明会で石室を見学する人たち=9日、斑鳩町法隆寺1の舟塚古墳

 横穴式石室が見つかった奈良県斑鳩町法隆寺1丁目の舟塚古墳で9日、発掘調査の現地説明会が行われ、多くの考古学ファンらが集まった。斑鳩町教育委員会と奈良大学が、約13平方メートルを調査。横穴式石室の玄室や羨道(せんどう)などを検出し、大刀や馬具類などの遺物が見つかった。 

 この日は、調査を担当した同大学の豊島直博教授らが、6世紀後半と考えられる古墳の築造年代や発掘調査の成果を説明。県内外の各地から多くの人が訪れ、土器などの出土遺物の展示コーナーや古墳の周辺には行列ができるほどのにぎわいをみせた。

 奈良市から訪れた自営業の田宮守さん(68)は「これを機にまた大きな発見につながるのではと期待がもてた」と話した。

 同町教育委員会生涯学習課の本庄徳光課長は「古墳時代の様相を知る大きな発見になった。保存管理に努め、新たな町の名所として地域の活性化になれば」と話した。

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