【台風13号】茨城・日立の病院、床上浸水 地元住民、復旧作業に力

泥流とともに流れてきた丸太が散乱する永井ひたちの森病院の駐車場=9日午前10時半ごろ、日立市小木津町

床上浸水の被害に見舞われた「永井ひたちの森病院」(茨城県日立市小木津町)は9日、職員が院内に流入した土砂の排出や洗浄などの復旧作業を進めた。地元住民らも駆け付け、「少しでも早く通常の診療を」と地域医療の復旧へ力を注いだ。

8日の大雨では病院脇を流れる普段は穏やかな東連津川が濁流に変わった。

同病院によると、病院敷地は同日午後6時過ぎに高さ1メートル弱の水であふれるようになり、玄関ドアや職員通用口など全ての出入り口の隙間から、少しずつ院内へ水が入り込んできた。土のうはなく、職員約10人が備蓄していた紙おむつで隙間を埋めた。全228床のうち、1階には移動困難な高齢者ら44人が入院。浸水を食い止める作業は、深夜まで続いたという。

川は病院手前でほぼ直角のカーブを描くため、永井直規院長は「増水した水がそのまま病院へ流れ込んできたかのようだった」と振り返った。

同病院は9日、復旧作業と並行して診療も実施。永井院長らが問診に当たったり、かかりつけ患者へ薬を処方したりした。

永井院長は「何より患者さんに影響が出なかったのが幸いだった」と話した。

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