ウェス・アンダーソン監督最新作『アステロイド・シティ』これまで明かされなかった物語のカギを握る“モノクロ”スチール解禁

『アステロイド・シティ』©2022 Pop. 87 Productions LLC

9月1日(金)より公開され、週末3日間でウェス・アンダーソン監督史上最高の館アベレージを記録した最新作『アステロイド・シティ』より、これまで明かされなかった秘密のカギを握るモノクロスチールが解禁となった。

ウェス・アンダーソン監督最新作

本作は、「Filmarks」の2023年9月公開映画期待度ランキングで1位を獲得、待望の日本公開初週の週末成績で1劇場当たり526,666円の興行収入を記録し、ウェス・アンダーソン監督作品史上最高記録を打ち立てた。

原案はウェス監督と盟友ロマン・コッポラの共作、脚本はウェス監督が単独で務め、キャストには、ウェス監督作品ではおなじみの、ジェイソン・シュワルツマン、エドワード・ノートン、ティルダ・スウィントン、エイドリアン・ブロディらに加え、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス、マーゴット・ロビー、スティーヴ・カレル、ウィレム・デフォー、ブライアン・クランストン、ルパート・フレンド、マヤ・ホークなど豪華キャストたちが共演する。

※物語の内容に触れています。ご注意ください。

映画『アステロイド・シティ』に隠された“最大の秘密”とは?

ポスターでも話題となっていた“モノクロ”のブライアン・クランストン、エイドリアン・ブロディ、エドワード・ノートンの3名をとらえたスチールが公開された。

1955年、アメリカ南西部に位置する砂漠の街「アステロイド・シティ」にジュニア宇宙科学者の受賞者とその家族が集結。<アステロイド・デイ>での授賞式の最中、まさかの宇宙人が到来する。街は封鎖され、軍は宇宙人の事実を隠蔽しようとし、ジュニア宇宙科学者の子どもたちは外部に伝えようと企てる——。というストーリーは、実はアメリカで上演される新作劇「アステロイド・シティ」の内容。舞台「アステロイド・シティ」の制作過程がTV番組で紹介されるという設定で、舞台のストーリーと、制作過程を同時進行で見ていくのが、本作である。

大勢が列をなして座っているカラーのスチールは、舞台「アステロイド・シティ」のリハーサルでのワンシーンをとらえたもの。ここに映るのは、舞台「アステロイド・シティ」に出演する役者たち。主人公オーギー・スティーンベックを演じるのは、ジョーンズ・ホールという俳優で、ミッジ・キャンベルを演じるのは、メルセデス・フォードという女優…というように、本作には“役を演じる役者”たちが登場するのだ。

ポスターにいたモノクロの3名の正体は、舞台「アステロイド・シティ」の制作過程を取り上げるTV番組に出演する人物だ。まずは、エドワード・ノートン演じる、舞台「アステロイド・シティ」の作者で、劇作家のコンラッド・アープ。このキャラクターについてウェス監督は、「ウィリアム・インジやアーサー・ミラーなど、この時代の何名かの脚本家たちを融合させているんだ」と語っている。

2人目は、エイドリアン・ブロディ演じる、舞台「アステロイド・シティ」の演出家シューベルト・グリーン。エイドリアンは、「とても楽しい役だった」と話す。「50年代は大きな転換期で、マーロン・ブランドやジェームズ・ディーンのような役者や、エリア・カザンのような監督が出現するなど、演技や演出の手法が大きく変わった時代でもありました。そういう時代へのオマージュができたのは良かったと思う。ウェスもそういうところを大事にしているに違いない」

そして、ブライアン・クランストン演じるTV番組の司会者。TV番組では、司会者がガイドとして制作過程について説明していく。ブライアンは、「いろいろな固有名詞が出てくるので覚えるのが大変だった」と司会者という役どころならではの苦労を吐露。舞台「アステロイド・シティ」を取り上げるTV番組をフィーチャーするという構成については、「きっとウェスのパフォーマンス・アートへのラブレターなのだと思います。3つのメディアを使ってパフォーマンス・アートを祝福しているのではないかな」と自論を語った。

入れ子構造は一見難解ではあるが、SNSでは「役者にフォーカスされていて、役に重なっていくところが良い」「ちょっと複雑な劇中劇構造を、めいっぱい楽しむ作品」「ウェス節が半端ない」「ウェスの世界を堪能した至高の時間」と絶賛の声があふれている。舞台・役者・映画などへ向けるウェス監督の愛にあふれた本作を、ぜひ劇場の大スクリーンで堪能してほしい。

『アステロイド・シティ』は大ヒット上映中

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