子どもがワクワク…あのお菓子や雑誌の「おまけ」、元祖は大人向けだった? 横浜で展示中

精巧な組立付録は子ども向けとは思えないほど緻密に設計されている=神奈川近代文学館(横浜市中区)

 明治から昭和にかけて、お菓子や雑誌に付属してきたおもちゃや小冊子などを集めた「『おまけ』と『ふろく』展 子どもの夢の小宇宙」が、神奈川近代文学館(横浜市中区)で開催されている。会場には小さな宝物だったおまけと付録が約400点並び、子どもたちと、かつて子どもだった大人が目を輝かせている。

 同館は明治以降に発行された児童雑誌のコレクションを数多く所蔵。資料としてたびたび活用されている雑誌本体だけでなく、おまけや付録からも当時の文化や世相を知ってもらおうと企画した。

 日本の「おまけ」の元祖は、越中富山の薬売りが顧客に配った浮世絵に似た「売薬版画」とされる。その後、たばこのパッケージに美しい絵柄が印刷されたカードが封入されるなど、大人を対象に始まった。

 明治時代に子ども雑誌が数多く創刊されると、そこに紙製の簡単な組み立て玩具が付けられた。明治から大正時代にかけて、子ども雑誌は主に富裕層の家庭で読まれた。

 少女向けに作られたすごろくでは、教師や電話交換手、デパート店員などのマスに止まったあと、「嫁入り」がゴールとされており、当時の価値観が伝わってくる。

 「『おまけ』と『ふろく』展」は24日まで。一般500円ほか。月曜休館(18日は開館)。問い合わせは同館045電話(622)6666。

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