ウエルシアに称賛、移動販売車で街の45カ所を定期巡回 薬剤師らオンライン相談も 移動困難な人々のもとへ

うえたん号の出発式が行われたウエルシア秩父横瀬店=1日午前、横瀬町横瀬

 埼玉県横瀬町とウエルシア薬局(東京都千代田区)は、今月から移動販売車両「うえたん号」の運行を開始した。平日週5回、町内計45カ所を定期巡回し、移動が困難な高齢者、障害者、子育て世代らに、買い物や交流機会を増やす。車両には生活必需品約550品目のほか、薬剤師らとのオンライン健康相談が行えるモニターや、キャッシュレス決済機能を搭載。高齢者の見守り活動にもつなげていく。

 同薬局は全国に約2100店舗を展開している。昨年5月に静岡県島田市内で「うえたん号」第1号を運行。同11月からは長瀞町内でもサービスが始まった。今回4号目となる同車両には、ウエルシア秩父横瀬店(同町横瀬)店内で販売している食品、生活日用品、化粧品などが積まれる。

 同店の薬剤師や管理栄養士が、車両後部に搭載した大型モニターでオンライン健康相談に応じ、第一類を含む一般用医薬品も事前注文制で販売する。クレジット・キャッシュレス決済、Tポイント付与、公共料金などの収納代行サービスも展開し、住民に通いの場を提供していく。

 1日に同店で出発式が行われ、富田能成町長や同薬局の江平知広首都圏支社長らがテープカット。その後、最初の販売場所となる上の原団地(同町横瀬)へ、うえたん号が出発した。

 富田町長は「横瀬町は現在、65歳以上の高齢者の割合が約35%を占め、今後も移動困難者は増えていく。町の大きな課題を解決していくためには、民間の力添えが必要。今回、町職員の提案により同事業が実現し、とてもうれしく思う」と語った。

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