大阪府で20代中心に梅毒が増加中、専門家でも原因は不明

大阪府において、これまで以上に早いペースで増加している「梅毒」の患者数。その早期発見と早期治療を目的とした無料・匿名で検査を受けられる『レディースデー検査』が9月から実施される。

定例会見でのフリップより「梅毒の症状・治療等と急増状況」について(9月6日・大阪府庁)

発症するとリンパ節の腫れや赤い発疹(バラ疹)ができ、治療せずに数年経過すると脳神経や心臓に障害を起こす深刻な性病のひとつ「梅毒」。

免疫がつきにくく、完治しても繰りかえし感染すること、妊婦が感染すると母子感染により胎児の死亡リスクが上昇したり、骨や臓器、神経に異常が出る恐れもあるという。

府内の「梅毒」の報告数は、2023年に入って8月6日までで1236人(前年比262人増)と20代女性を中心に増加。増加の原因について専門家の見解などを聞いても明らかにできていないという。

府ではこれまでも保健所などでの定期検査を実施。なかでも検査施設「chot CAST(ちょっときゃすと)」(大阪市中央区)では2022年に6444人が受検し、322人の陽性(内、外国人519人中39人陽性)がわかった。

今回、同施設で通常の定例検査に加え、女性スタッフによる『レディースデー検査』を設定。予約不要で9月20日、10月18日、11月15日の夕方6時〜夜7時半に実施される(検査無料)。

ここでは梅毒に加え、HIV、B型肝炎、クラミジアも同時検査でき、外国語(中国語、英語、ベトナム語など)にも対応。約60分で結果がわかり、女性の医師、保健師、薬剤師らにより、さまざまな健康問題の相談に対応するという。

9月6日の定例会見で吉村洋文知事は、「早期発見・早期治療につなげることは非常に重要。感染の疑いがある人や予防策なしに性的接触をしたなど、不安がある場合は検査を受けていただきたい」と呼びかけた。

取材・文・写真/岡田由佳子

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