茨城・常総水害から8年 決壊現場で犠牲者悼む

常総水害から8年を迎え、堤防決壊現場で黙とうをささげる神達岳志市長(左から4人目)ら=10日午後0時50分ごろ、常総市三坂町

2015年9月の関東・東北豪雨による鬼怒川の氾濫で茨城県常総市が大規模水害に見舞われてから8年となった10日、同市三坂町の堤防決壊現場で献花式が開かれた。関係者や地元住民ら35人が参列し、犠牲者に哀悼の意を表した。

常総水害では、同市上三坂地区で堤防が決壊し、市全体の3分の1に当たる約42平方キロメートルが浸水。市内で2人が死亡、13人が災害関連死と認定されるなど甚大な被害を受けた。

式には、神達岳志市長ら市関係者のほか、永岡桂子文部科学相、同市のふるさと大使を務めるお笑い芸人、赤プルさんらが参列。堤防が決壊した時間に合わせて、献花と黙とうをささげた。

参列した同地区の吉川博区長(73)は「いつどこで災害が起こってもおかしくない。常に危機感を持ち、命を守るための早めの対策、避難を心がけたい」と決意を新たにした。

神達市長は「防災の取り組みを継続、発展させることが被災された方々や亡くなられた方々へのお見舞い、お悔やみにつながる」と強調。近年増加する短時間の記録的豪雨などによる内水氾濫についても触れ、「内水の問題を国、県と協力しながらこれまで以上に積極的に取り組んでいきたい」と述べた。

8~9日に県北地域を襲った台風13号の大雨被害については「8年前の常総市と同じ状況になっており、大変心配している。被災の経験自治体だからこそできる支援をしていきたい」と語った。

© 株式会社茨城新聞社