4ゴール快勝のドイツ戦、特に「ハイクオリティ」だった日本代表5名

日本代表がアウェイでドイツに4-1の快勝を収めた。

カタールワールドカップのリベンジに燃える相手を返り討ちにした一戦。この試合で特にクオリティが高かった5名の選手を紹介する。

冨安健洋

まずはドイツを相手に圧倒的なパフォーマンスを見せた24歳。

45分に抜け出したルロイ・サネを追いかけて止めた守備、そして直後に見せた渾身のガッツポーズは試合のハイライトの一つだ。

攻守両面での機能性と対応力はもちろんのこと、右利きなのに左足でこれだけ強く正確なボールを蹴ることができるセンターバックは世界でも希少。

一時「層の薄いサイドバックでの起用」という声もあったが、この日のプレーを見せられたら黙るしかない。とにかく無事にシーズンを送ってほしい。

菅原由勢

カタールワールドカップからまだ1年経っていないが、すっかり日本代表に欠かせない戦力となった。

足もとの技術でビルドアップを安定させるだけでなく、精力的な攻撃参加により前半の2ゴールを生み出した(実質2アシスト)。

守備での決断力も高く、特にDFライン4枚で対応した前半は出色の出来だった。

前、後ろ、中、外とどこにいても仕事のできる現代的なサイドバックはチームにクオリティと幅をもたらしている。

遠藤航

中盤のフィルター役として改めて存在の大きさを感じさせた試合だった。

ピッチ上で相手に対して常に目を光らせ、遠藤がいち早く“現場”に駆け付けることができる分、仮に彼が突破されても次が間に合うといったシーンがこの試合もたびたび見られた。

ビルドアップの技術も年々向上。ボールの経由地となりながら相手との距離感を掴み、スムーズに前を向いて展開する場面が増えている。

キャリアとしてもこの夏、大きなステップアップに成功。遠藤の時代はもしかしたらこれから始まるのかもしれない。

伊東純也

森保一監督は「スピード」や「身長」といった絶対的な身体能力に対する信頼感の厚い指揮官だ。

伊東は類まれなスピードを持つ上に質と量も兼ね備え、世界的にも稀有なウィンガーの一人となりつつある。

ドイツ戦でもその個としての能力はいかんなく発揮。右サイドだけでなくエリア内でも先制点をたたき出す大きな仕事をしてみせた。

守備でも前にプレッシャーをかけながら相手サイドバックのオーバーラップにも対応。ピッチ上での仕事量で右に出る者はいない。

久保建英

74分に投入されながら2アシストを記録。所属クラブで見せているクオリティを代表でも証明してみせた。

90分に浅野拓磨のゴールをアシストした場面は、これまでの代表での久保のプレーからするとパスは意外な選択とも思えた。

それだけ心技体ともに充実していることの裏付けであり、また同ポジションの伊東のハイパフォーマンスが“フォアザチーム”を意識させた部分もあるかもしれない。

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「先発伊東、途中から久保」という贅沢なリレーこそが今の日本代表の充実ぶりを表している。

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