「エイサーのまち」興奮に包んだ3日間 響く太鼓、カチャーシーで幕 全島エイサー

 沖縄市のコザ運動公園陸上競技場で開催された第68回沖縄全島エイサーまつりは最終日の10日、13団体が出演した。伝統を感じさせる勇壮な踊り、観客を楽しませる工夫を凝らした創作演舞など、個性的な各団体の演舞が観客らを魅了した。最後は会場が一体となってカチャーシーを踊り、花火が夜空を彩った。「エイサーのまち」沖縄市の興奮冷めやらぬまま、4年ぶりの全島エイサーは幕を閉じた。 

 午後3時の開会直前に降った雨も上がり、日差しが会場を照らした。沖縄市池原子ども会が始まりの太鼓を鳴らした。各団体の演舞が終わるたびに会場は拍手や指笛が響き、観客らは久しぶりのまつりを堪能した。

 演舞場の脇で持参の大太鼓で舞って見せた長濱星月(るい)ちゃん(5)と父親の陸さん(29)=沖縄市=は「大きいまつりは久々だ。エイサー好きの息子も楽しんでいる」と話した。

 特色ある各団体の演舞は観客らを引きつけた。友人3人と訪れた中村朝彰さん(43)=宜野湾市=は「4年ぶりだから全部の団体が見たい」と昼過ぎから席を取った。ビールを片手に「みんな最高だ」と酔いしれた。

 日が沈み始めても会場の熱気は増すばかり。演舞のトリを務めたのは沖縄市山里青年会。気合の入った力強い演舞で観客を圧倒した。割れんばかりの拍手が会場から送られた。

 13団体の演舞が終わり最後は会場全体でカチャーシーを踊った。久しぶりの盛り上がりに、観客や演者らに満面の笑みが広がった。 

 (金盛文香)

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