西九州新幹線の沿線5市 宿泊稼働指数、全国上回り推移 8月までの1年間 開業効果の薄れも

西九州新幹線沿線の宿泊稼働指数

 九州経済調査協会(九経調、福岡市)は、昨年9月23日に開業した西九州新幹線の長崎、佐賀両県の沿線5市について、開業前後(昨年8月~今年8月)の宿泊稼働指数を発表した。5市の指数はほぼ全国を上回って推移し、九経調は新幹線開業に伴う観光キャンペーンや宣伝効果、誘客の取り組みなどがプラスに働いたと指摘した。
 5市は本県の長崎、諫早、大村と、佐賀県の嬉野、武雄。昨年秋や今年春を中心に指数が大きく上昇し、コロナ禍前を上回る時期もみられた。一方、直近の今年8月は全国の指数が前年比プラスだったのに対し、5市とも前年を下回った。旅行需要がいったん落ち着いたことや、全国的にイベントを始めとした都市型観光が復活し大都市部への人の動きがあったとみられる。
 西九州新幹線は開業からまもなく1年。九経調の担当者は「開業効果が昨年より薄れ、旅行支援策の規模も縮小される中、福岡、東京、大阪やインバウンド(訪日客)などの需要をいかに取り込み、地域への滞在や周遊を促していくかが今後の鍵になる」とした。
 宿泊稼働指数は、宿泊予約サイトの空室データを基に九経調が推計。稼働状況が良い場合は100に、悪い場合はゼロに近づく。

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